イオンリテール、買い物かご1日1万個の清掃自動化へ 除菌装置導入

2020年12月1日 08:24

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紫外線を照射して、買い物かごの持ち手を1個12秒で自動除菌する(画像: イオンリテールの発表資料より)

紫外線を照射して、買い物かごの持ち手を1個12秒で自動除菌する(画像: イオンリテールの発表資料より)[写真拡大]

 イオンリテール(千葉県千葉市)は11月30日から、買い物かご除菌装置「ジョキンザウルス」の導入を開始した。イオンとイオンスタイルの12店舗に先行導入し、順次広げていく。コロナウィルス対策の清掃業務が、従業員の負担になっており、これを省力化すると共に、防疫対策を強化する。

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 ニューネクスト(京都府京都市)と共同で企画・開発した。紫外線を照射し、買い物かごの持ち手を99.9%除菌する。買い物かごを重ねたまま台車ごと装置に入れれば、自動で1つずつ持ち上げて裏側まで除菌する。所要時間は1個12秒。最大60個入れることができ、トータル12分で除菌完了する。

 イオンリテールでは、1日平均約1万個の使用済み買い物かごが発生する。同社ではコロナ対策のために、使用の都度、従業員が拭き上げ清掃を行ってきた。作業負担が過大になってきたため、ジョキンザウルスを開発し導入することにした。

 同社では独自に、「イオン新型コロナウィルス防疫プロトコル」を6月に策定し、11月に改定。感染経路の大きな要因が飛沫感染とされていることから、買い物かごの除菌以外にも様々な対策を講じている。

 フードコートやレストランには換気扇を増設し、高性能フィルターを使った空気清浄機の設置を進める。閉鎖空間では、除菌システムの大型空調設備「トレイン・トリプルエアシールド」導入を拡大する。作業場所や作業内容が変わる箇所にはアルコールディスペンサーを増設し、従業員の消毒頻度も上げた。

 設備だけでなく、ソフト面も重視。従業員の執務・休憩スペースに「定員表示」をし、不特定多数の人が触るタッチポイントには抗菌・抗ウイルスシートを貼付している。

 クラスターが発生すれば、営業停止は免れない。主たる原因の飛沫感染を防止するには、来店客だけでなく従業員の感染防止にも注力する必要がある。コロナによる直接的な経済ダメージの上に、こうした設備投資や除菌作業がさらに、重い負担としてのしかかっている。ジョキンザウルスのような省力化装置の開発で、事態の改善に急ぐ。(記事:土佐洋甘・記事一覧を見る

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