DNAなど含む細胞核誕生の謎 巨大ウイルスが起源か 東京理科大が新説

2020年9月12日 16:01

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メドゥーサウイルスと宿主が共存して進化することで、細胞核を獲得したとする説(画像:東京理科大学の発表資料より)

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 細胞と異なり、宿主の生物に感染することで増殖するウイルス。とくに、従来のウイルスよりも遺伝子数やサイズが大きな「巨大ウイルス」が近年注目を浴びている。東京理科大学は9日、真核生物の細胞核が誕生する起源になったのが、巨大ウイルスだという新説を提唱すると発表した。

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■発見されて間もない巨大ウイルス

 アメーバに感染する巨大ウイルスは1992年に発見された。0.2~0.3マイクロメートルのウイルスに対し、約1マイクロメートルの大きさをもつ巨大ウイルスが発見されている。巨大ウイルスの遺伝子数やサイズはちょうど、細菌と従来のウイルスの中間に位置している。

 最初に発見された巨大ウイルスが2003年に「ミミウイルス」と命名されて以来、多くの巨大ウイルスが発見されてきた。日本でも、今回研究を発表した東京理科大学の武村正春教授らによって、トウキョー・ウイルスやミミウイルス・シラコマエなどが発見されている。これらの巨大ウイルスのほとんどが、アメーバなどの原生生物に感染するという。

 巨大ウイルスの遺伝子解析により、その起源は真核生物の起源に近いことが判明している。そのため、巨大ウイルスが真核生物の進化の鍵を握ると考えられる。とくに、DNAなど遺伝情報を含む細胞核の起源を十分に説明できる理論が、これまで存在しなかったという。

■温泉に潜む巨大ウイルスの祖先が宿主と共存して進化

 武村教授は、メドゥーサウイルスが細胞核の起源だという説を提唱した。2019年に日本の温泉から発見されたメドゥーサウイルスは、従来の巨大ウイルスと違い、宿主の細胞核を介して増殖する。

 メドゥーサウイルスには、遺伝子の転写や複製に関する遺伝子がなく、宿主の遺伝子を介して進化してきたと推察される。そのため、メドゥーサウイルスの祖先となる巨大ウイルスから、遺伝子の転写や複製に関する遺伝子を宿主が獲得する一方で、メドゥーサウイルスはそれらの遺伝子を喪失するよう進化したと考えられるという。

 今回提唱された新説は、細胞核がどう誕生したかの起源を十分に説明している点が強調されている。今後は、本研究成果をもとに、細胞核の起源解明に向けた動きが加速することが期待されるだろうとしている。

 研究の詳細は、オンライン微生物学誌Frontiers in Microbiologyに3日付で掲載されている。(記事:角野未智・記事一覧を見る

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