コロナ禍 vs ミズホメディー & ニプロ & アンジェス日本連合軍

2020年8月26日 12:08

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 3月27日付けの企業・産業欄に、『ミズホメディー(ミズホ)の収益が映す「今年のインフルエンザ」発生は低水準』と題する一文を投稿した。ミズホはインフルエンザウイルス診断キットで国内の最大手企業。

【こちらも】ミズホメディーの収益が映す「今年のインフルエンザ」発生は低水準

 昨年末から今年にかけてインフルエンザも感染は早く始まったが、今年に入っての感染率は例年の40%水準。売上高の5割を占める感染診断キットの売り上げ減が収益の足を引っ張った。ミズホ側も「暖冬の影響や、新型コロナウイルス感染に対する慎重な姿勢の広がりが起因」とした。といった内容の記事だった。

 が、ウイルス検査薬を主体(インフルエンザの他にも、アデノウイルス・ノロウイルスで存在感を示している)の同社は、新型コロナウイルスでも「大仕事」をやってのけた。

 試薬名は「全自動遺伝子解析装置Smart Gene○R」。厚労省の「検査料の点数の取り扱い」に基づき、「公共医療保険適用」の新型コロナウイルスの遺伝子検査方法として認められた。遺伝子の抽出・増幅・検出の全工程が1つのカートリッジ内で行われ、1時間程度でウイルスの検出ができるという。8月19日から発売が開始された。

 新型コロナウイルス禍に収束感は見られていない。「治療薬」「ワクチン」の登場が待たれているが、入口は容易な診断薬であろう。改めてミズホの存在感を認識させられた。

 ニプロが治療薬候補とされる「アビガン」の受託生産に乗り出す。注目したい。

 そしてワクチンとして、アンジェスの存在がクローズアップされている。Yahooジャパンでファイナンスの項目を検索すると、「日経平均株価」「(前日の)NYダウ」「同ドル/ユーロ相場」が確認できる。と同時に「検索」-投資家が覗いている銘柄の動向をチェックすることができる。

 ここしばらく検索NO1は、アンジェス。同社は大阪大学発のバイオ企業。5月25日に「大阪大学と共同開発している新型コロナウイルスに対するDNAワクチン(病原体を構成する成分の設計図をワクチンにする)の動物(マウス、ラット)への投与で、抗体価上昇が確認できた。今後、毒性試験結果を確認した上で、速やかな臨床試験への移行を進める」とした。

 そして8月7日には、「厚労省の、ワクチン生産体制等緊急整備事業、として採択された」と発信した。採択されたことで「新型コロナウイルスワクチンの実生産」体制を図るために、2020年8月から22年3月の間に93億8000万円余が交付される。生産自体はタカラバイオが担当する。

 1日も早く大声で会話ができ、酒を知人と次ぎ合う日を待ちたい。ためには、記した各社の更なる鋭意努力に期待したい。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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