新型コロナはネコのあいだでも伝染する 東大などの研究

2020年5月18日 07:41

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ネコを用いた新型コロナウイルスの伝染実験(写真:東京大学の発表資料より)

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 遺伝子配列からコウモリ由来だと考えられている新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)。自然宿主からどのように人へと感染したかの経路は現状不明だ。東京大学は14日、ネコのあいだで新型コロナウイルスが伝染することを発見したと発表した。

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■接触感染で容易に伝染する新型コロナウイルス

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が人から人へと感染する経路として、接触感染や飛沫感染等が考えられている。一方人からペットへと感染する事例は海外で報告されているものの、ペットが主要な感染源だという証拠は現状見つかっていない。

 米ニューヨーク州では、飼いネコや、動物園のトラやライオンといったネコ科動物から新型コロナウイルスの感染が確認されている。東京大学、米ウィスコンシン大学、国立国際医療研究センター、国立感染症研究所の研究者から構成されるグループは、新型コロナウイルスの感染をネコで調査した。

 3匹のネコの鼻腔内に新型コロナウイルスを接種したところ、次の日には2匹のネコが感染し、3日以内にすべてのネコからウイルスが検出された。

 研究グループはまた、新型コロナウイルスを接種した3匹のネコにそれぞれ、別のネコを各カゴの中に飼育させた。毎日鼻腔などからウイルスの有無を確認したところ、2日以内にウイルスが伝染し、6日以内で6匹すべてのネコからウイルスが確認された。その一方で直腸から新型コロナウイルスの有無の確認を実施したが、ウイルスは検出されなかった。

 研究グループによると、新型コロナウイルスはネコの呼吸器で増殖し、接触感染によってネコからネコへと容易に伝染するという。また6匹のネコは新型コロナウイルスによる症状を示さないことが判明した。

■動物への感染の注意

 新型コロナウイルスがネコのあいだで広がる可能性がある一方で、ペットから人への感染事例は確認されていない。本研究成果が新型コロナウイルス感染症対策を考える上で重要な情報になるという。

 研究では、新型コロナウイルスが子供や配偶者へと感染することが心配ならば、動物への感染も気をつけるべきだ、としている。

 研究の詳細は、米科学誌New England Journal of Medicineに13日付で掲載されている。(記事:角野未智・記事一覧を見る

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