木星、土星、火星の3惑星と月が並んで観測 4月中旬に

2020年4月4日 08:53

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太陽と地球と月。

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 4月の夜明け前の空には南の方角から木星、土星、火星と3つの惑星が並んでいる。4月15日から17日にかけて、月がこの3つの惑星の近くを通り過ぎていく。15日には木星のそばに下弦の月が並ぶ。16日には細くなった月が土星と火星の間で輝き、17日には4つの天体が直線的に並んでなかなか壮観である。

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■惑星の軌道

 木星、土星、火星はいずれも太陽の周りを回る惑星だが、このように複数の惑星が接近して見えることがよくある。これは、太陽系の惑星の軌道がほとんど同一平面内にあるからである。そのため、地球から見た太陽の通り道(黄道)に沿って惑星が並ぶことになる。

 同じ黄道というトラックをそれぞれの公転周期で走っているので、周期の短い星が長周期の星に追いついて、しばらく並んで動き、追い越していくという現象が起こる。

 それでは、太陽系の惑星はなぜ同じ平面上にあるのだろうか?それは、太陽系がどのようにしてできたかに密接な関係がある。

 太陽と太陽系の母体となったのは、宇宙空間にあるガスや塵である。このガスや塵が集まった星雲は当初は平面ではなく球状であったと考えられている。そして球状の星雲はその中心に向かって収縮し始める。

 重要なことはこの球状の雲は緩やかに回転していたということだ。回転軸と垂直な方向には遠心力が働くため、この方向では収縮の動きが緩やかになる。

 結果として星雲は回転軸に垂直な円盤状となる。そしてこの円盤の塵やガスの濃いところに惑星ができたのである。

■月の軌道

 月の軌道は、現在黄道面と約5度の傾きを持っている。そのため、月と惑星も接近して見えることが多い。

 太陽系の衛星の大部分は母惑星の赤道とほぼ同じ平面上の軌道を持つのに対し、月は地球の赤道面に対して18度から28度の傾きがある。これは月がどのようにしてできたかに関係がありそうだが、現在のところその原因はよく分かっていない。(記事:創造情報研究所・記事一覧を見る

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