火星の厳しい放射線環境を軽視する風潮に対する批判

2020年1月29日 18:17

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記事提供元:スラド

 taraiok曰く、

 SpaceXのイーロン・マスクCEOは、Twitterで年間100機の宇宙船を生産し、2050年までに100万人を火星に送り込むという目標を明らかにしている。これに対し米コロンビア宇宙生物学センターのディレクターを務めるCALEB A. SCHARF氏は強い危機感を持っているという(Scientific AmericanSlashdot)。

 同氏によると、火星の放射線環境は、人間にとっては重大な課題だという。この課題は火星の気候や水資源、重力などと比べると直視されない傾向にある。しかし、いくら見ないようにしても、火星探査ローバーの放射線評価検出器(RAD)から送られてくるデータは、火星の放射線状況が厳しいことを示唆している。

 地球と異なり、火星は非常に大気が薄くまた磁場も弱い。このことが、太陽風粒子などが地表にまで直接届く要因となっている。火星の1年間(地球時間換算で)の平均被ばく率は、米エネルギー省の放射線労働者に許可されている最大被ばく率の20倍強にあたる。もちろん、火星の地表ですべての時間を過ごす必要はない。しかし、放射線被爆によって死んだり、なんらかの障害になる可能性を無視してはならないだろうとしている。

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