中古車の「25年ルール」とは? クラシック認定で価格高騰も

2020年1月28日 11:52

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 中古車市場には「25年ルール」があることを知っているだろうか?アメリカ国内での規定なのだが、製造から25年を過ぎた車は旧車という認定を正式に受け、衝突実験などによる安全性能の証明義務を果たさずに販売できるというルールだ。

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 25年ルールは厳密に言うと、アメリカで定まっている自動車販売ルールであるため、日本に直接の関係はないように見えるのだが、実は日本の中古車市場にも影響を与えているのだ。

 アメリカ国内で元々流通していない車種は、同国が定める安全基準や排ガス試験に合格しない限り、アメリカの一般道では運転できない。そのような車は販売する意味がないため、事実上アメリカへの輸出に適さない。

 しかし製造から25年を過ぎた車は、クラシックカー認定によりアメリカが定めた安全テストをクリアしなくても輸出が可能になるのだ。

 そのため、25年ルールは日本の中古車市場にも影響を与える。2020年の場合であれば、新たにクラシックカー認定を受けた1995年式の日本車が、販売目的でアメリカに渡る例が増えるからだ。

 これらは「ネオクラシックカー」として、アメリカの中古車市場でも需要が出る。そのため日本からも製造から25年を過ぎた車がアメリカへ渡っていく。相対的に日本市場で製造年数が25年を過ぎた車は在庫から減っていき、相場も高くなっていく。

 1995年式の中古車が新たにアメリカでクラシックカー認定を受ける2020年は、特にマニア人気の高いスポーツカーの輸出が増えそうだ。90年代半ばに流行した中古スポーツカーを購入したい人は、在庫の少なさや価格高騰に注意したい。

 ホンダ・NSX、日産・スカイラインGT-RのR33系やシルビア、トヨタ・MR2などは1995年式以前に限ると相場が高くなっている可能性がある。それ以外でもスバル・インプレッサ、三菱・ランサー、トヨタ・セルシオ、ホンダ・シビックなど、さまざまな車種の1995年式以前において、在庫減に注意しよう。

 アメリカの25年ルールにより「ネオクラシックカー」の仲間入りを果たした車は、輸出解禁による在庫減から価格相場が高騰する可能性もある。これから90年代の懐かしい車に乗りたいという人には見逃せない情報である。

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