子年相場の「有力テーマ」を考える (下)

2019年12月26日 18:01

小

中

大

印刷

 「働き方改革」も引き続き有力なテーマとして、株式市場で子年も重宝されよう。ただ「働き方改革」関連と一口に言っても、その幅は広い。代表的と目されるいくつかについて関連銘柄を検証してみた。

【前回は】子年相場の「有力テーマ」を考える (上)

■(I)RPA

 日本語に置き換えづらいがあえて言えば、「ソフトウエア型ロボットによる、ホワイトカラー業務の効率化・自動化システム」。兜町筋は「AI、IoTを耳にしない日はないが、ここにきて頻繁に指摘されるのがRPA。未だ新鮮味がある。これは文字通りビジネス革命を引き起こしかねない」とする。

 周知の通り生産ラインに代表される製造現場では、ロボット導入による作業の効率化・合理化が進んでいる。いわばその「ホワイトカラー」版。

 代表的企業に、その名もずばりRPAホールディングス(RPAHD)がある。目下の主軸事業は「ビズロボ」と呼ばれるソフトウエア型ロボットのアウトソーシング。

 機械学習とAIなど認知機能を活用したビズロボを、RPAHDではその魅力を「(労働力不足が社会問題化する中)辞めない・働き続ける・変化に強く間違いを繰り返さない」とし、「既に官公庁や有力企業での導入が進んでいる」としている。ちなみに「導入企業の中には年間の事務処理時間が2万時間削減されたケース」もあるという。

 RPAHDは昨年3月、鳴り物入りで東証1部に上場した。公開直後の前2月期「95.4%増収、105.2%営業増益」に対し今期も「71.2%増収、67.9%営業増益」で立ち上がった。だが開示済みの3-8月期は期初計画に対する進捗率で「84%、83%」。

 RPAHDでは「拡大を視野にビズロットミニを導入。人材の積極採用など事業展開の先行投資負担」と説明。通期見通しは変えていない。中間期が「予想未達」も前年同期比「31.0%増収、1.1%営業増益」を勘案すると、据え置きも頷ける。

 時価は1200円台終盤。5月23日に年初来高値3310円を付けた後(6月末に)1対2の株式分割。7月に2542円を付けるも「とりあえずの利食い」揉み合い状況。IFIS目標平均株価も1550円と上値を示唆している。RPANDを見る限り、RPAが注目されるテーマであることは容易に想像できる。

■(II)労働力不足

 労働力不足を補う一法として「高齢者の活用」が示されている。その意味で「65歳以上の自社雇用」を進め、シニア層の副業・起業に注力している人材派遣業界3位のパソナグループなど先頭株。人材派遣業界首位のリクルートHD、ウィグループなども注目に値しそう。

 またデベロッパーを対象に「施工管理技術者」「CADオペレーター」などの人材派遣で実績の夢真ホールディングスや、外国人労働者5000人近い就労企業者が登録済みのフルキャストなども興味深い。

 ところで筆者は「外国人労働者」が真の意味で日本の労働力不足をフォローしてくれる、という観点から財経新聞に物語コーポレーションを投稿したことがある。安倍内閣は2018年の「未来投資戦略」でKPI(重要指標)として、「20年末までに1万人の高度外国人材、22年末までに2万人の認定を目指す」とした。

 推進政策の一環として今年4月、新たな在留資格となる「特定技能者」を新設。平たく言えば、単純労働者の受け入れにも道を開いた。5年間で35万人近い外国人就労者を見込むとしている。

 だが要は、受け入れ側の姿勢であろう。「安価な労働力確保」を主眼に置いているだけでは、画餅に終わる。その意味で2007年に外国人労働者の採用を始めた飲食店チェーンを展開する物語コーポは興味深い。

 詳細は省くが現在、中国・ネパール・韓国など9カ国の90名近い外国人が就労。採用開始から10余年が経ったいま「外国人店長」が誕生している。「同一労働・同一賃金」が実行されている、何よりの証しだと考える。(記事:千葉明・記事一覧を見る

関連キーワード高齢者IoT(Internet of Things)働き方改革外国人労働者