次世代電池に応用可能な低コスト触媒電極を作製 電通大などの研究

2019年10月19日 15:22

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(a) 炭素材料表面に分子レベルで修飾された触媒の模式図および、(b)今回見出した触媒電極による酸素還元性能の炭素・白金炭素触媒との比較。(画像:電気通信大学発表資料より)

(a) 炭素材料表面に分子レベルで修飾された触媒の模式図および、(b)今回見出した触媒電極による酸素還元性能の炭素・白金炭素触媒との比較。(画像:電気通信大学発表資料より)[写真拡大]

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 リチウムイオン電池に代わる次世代の電池が待望されている。その候補としては燃料電池や金属空気電池などがあるのだが、現状、触媒として白金(プラチナ)を必要とする。今回、電気通信大学(電通大)などの研究グループは、高価かつ稀少な白金に依存しない、安価な触媒電極材料を発見した。

【こちらも】リチウムイオン電池の問題を解決するのは? 次世代電池や最新の電源ICにも注目

 研究に参加しているのは、電通大の中村淳教授、東北大学の阿部博弥助教、藪浩准教授、永智一教授、および北海道大学の松尾保孝教授。

 燃料電池や金属空気電池は、そのエネルギー密度の高さからリチウムイオン電池に代替する次世代の電池として期待されている。これらの電池は、正極において酸素の還元反応を起こすことでエネルギーを取り出す。

 ただ、この酸素還元反応はあまり起こりやすい反応ではないため、これを促進するための触媒がいる。従来用いられているのは、白金を利用した炭素触媒である。言うまでもなく白金は高価で、地球上の資源量に限りがあるため、より安価で入手しやすい触媒を開発しなければならない。

 ちなみに白金を用いない触媒としては、カーボンアロイと呼ばれるものなどが既にあるにはあるのだが、これは製作コストが高いという難点があった。

 今回の研究では、顔料などに利用される鉄フタロシアニン系有機金属錯体が利用された。この分子はヘモグロビンに似た構造を持ち、中心にある鉄原子が触媒活性点になる。

 この触媒を炭素材料表面に施すと、非常に活性の高い酸素還元反応特性を示すということを発見したのが、今回の研究の主眼である。また、修飾のプロセスはカーボンアロイのようにコストのかかる焼成を必要とせず、すべてウェットプロセスで作製できるため、製作コストも安くすむという。

 研究の詳細は、NPG Asia Materialsに掲載されている。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る

関連キーワード燃料電池東北大学リチウムイオン電池北海道大学電気通信大学

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