ナメクジに寄生する線虫、生物農薬に利用可能か 東邦大などの研究

2019年9月24日 08:39

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ナメクジカンセンチュウ属の雄。スケール:0.1mm。(画像:東邦大学発表資料より)

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 生き物を利用して害虫などを駆除する、生物農薬と呼ばれるメソッドがある。ある種の寄生線虫はナメクジに寄生して死に至らしめることが知られており、ヨーロッパでは既に生物農薬として実用化されている。東邦大学と近畿大学による今回の研究は、これに似た線虫が日本でも発見され、生物農薬に利用できるかもしれない、というものである。

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 研究に参加しているのは、東邦大学理学部生命圏環境科学科の脇司講師と近畿大学農学部環境管理学科の澤畠拓夫准教授の研究グループ。

 当該の線虫は、ナメクジカンセンチュウ属の仲間で、その名の通りナメクジの仲間に寄生する。従来日本での分布は未知とされていたが、今回の研究によって、本州に広く分布していることが明らかになった。なお、この線虫はヒトには寄生しない。

 2018年に脇講師と澤畠准教授が採取した感染ナメクジを室内で飼育したところ、やがてナメクジは死亡し、その死体から線虫が大量に湧いて出た。その性質を観察する限り、海外でスラッグ・キラーと呼ばれている、宿主のナメクジ類を死に至らしめ、その死体を利用して増えるという性質の線虫によく似ているという。

 ただ、当該の観察だけでは、寄生が原因でナメクジが死亡したことを科学的に証明したことにはならないため、今後さらに飼育実験を重ね、線虫の病害性を詳しく調べていくという。

 寄生が原因でナメクジが死亡しているのであれば、この線虫は生物農薬として利用可能であるわけであるが、日本で見つかった線虫と、海外で知られている線虫が同じ種なのか違う種なのかもまだ調べなければならないとのことである。

 研究の詳細は、日本動物分類学会誌「タクサ」に「ナメクジ類に寄生するナメクジカンセンチュウ属(和名新称)線虫の国内における感染状況」と題されて発表されている。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る

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