薬剤師不足に対する一考察

2019年8月19日 09:57

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 厚労省によると、2018年度の(ハローワーク累計)薬剤師の有効求人倍率は、5.00倍に達したという。データは若干古いが、16年末の薬剤師数は30万人を超えた。大学の薬学部の学生数増員や薬学部新設の結果であり、10年前に比べると約4万人増えたという。

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 だが、いまもって有効求人倍率は5.00倍と需要に供給が全く追い付かない状況にある。「都市部への偏在」が大きな要因(地方の有効求人倍率はより高い)と指摘される。

 前に財経新聞で「医師不足/都市部への偏在」に関して記したが、全く同じ状態が発現しているというわけだ。忌々しき事態といえる。

 厚労省では20年度から医師が多数存在している医療圏では、「在宅医療」「休日・夜間診療」「学校医担当」など、自治体が求める機能を果たすような枠組みを執っていく方針を打ち出した。薬剤師の偏在にも、解消に向かうような施策が求められよう。

 それとこれは別と言われるかもしれないが、大手ドラッグストアであってはならない「事件」が発覚した。ツルハ/ウェルシア薬局で長い間に亘り、「(医師の)処方箋なしに医薬品の販売が行われていた」と伝えられた。

 例えば7月25日の朝日新聞・電子版はツルハドラッグ小樽店を実例としてあげ、「不正行為がマニュアル化されていた」とも伝えている。偏在化⇔薬剤師不足が、その一因とも受け取ることができる。

 知恵を絞った。そして私が厚労相なら、16年4月にスタートした「かかりつけ薬剤師」制度を活用したいと考える。「飲み残し薬を減らし、薬剤費負担を減らす」ことを目的に創られた制度だが、周知の通り「かかりつけ薬剤師」は現にこんな役割を果たしている。

 *一人の薬剤師が服薬状況を把握・管理することで「重複服薬」や副作用を起こしかねない「相互作用」をチェックすることができる。

 *薬局が開いていない時間(夜間)や休日でも、緊急の際にはかかりつけ薬剤師は電話で相談を受ける。

 *かかりつけ医と連携し在宅医療を行う。

 かかりつけ薬剤師は、患者側の指名が前提。と同時に、指名される薬剤師は以下の様な要件を満たしていなくてはならない。

(1) 薬剤師認定認証機構が認定している「研修認定薬剤師」であること。
(2) 調剤薬局勤務が3年以上。
(3) 勤務先の調剤薬局に1年以上在籍していること。
(4) 医療に関わる地域活動に参加していること。

 例えば「(2)」の要件を、「薬剤師少数圏の薬局に3年以上勤務したことがあること」に変えるというのも一つの方法ではないだろうか。

 こんな指摘もある。「薬剤師を確保するために、奨学金で取り込みを図る動きが活発」。地方自治体が膝元の薬剤師不足を解消するために、独自の奨学金制度を敷くというのも一法と考える。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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