存在するはずのないブラックホールの降着円盤 相対性理論で説明 ハッブル宇宙望遠鏡

2019年7月14日 07:18

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渦巻銀河NGC3147のブラックホールに存在する降着円盤の想像図 (c) NASA, ESA, S. Bianchi (Università degli Studi Roma Tre University), A. Laor (Technion-Israel Institute of Technology), and M. Chiaberge (ESA, STScI, and JHU); illustration: NASA, ESA, and A. Feild and L. Hustak (STScI)

渦巻銀河NGC3147のブラックホールに存在する降着円盤の想像図 (c) NASA, ESA, S. Bianchi (Università degli Studi Roma Tre University), A. Laor (Technion-Israel Institute of Technology), and M. Chiaberge (ESA, STScI, and JHU); illustration: NASA, ESA, and A. Feild and L. Hustak (STScI)[写真拡大]

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 米航空宇宙局(NASA)は11日、同局が運営するハッブル宇宙望遠鏡が渦巻銀河「NGC3147」から降着円盤を発見したと発表した。本来発見されるはずのない降着円盤であるため、発見した研究者らは驚きを隠せないという。

【こちらも】ブラックホールはどのようにして成長するのか 矮小銀河から探る研究

■ブラックホールを取り巻く降着円盤

 強い重力の影響で塵やガスだけでなく、光までをも飲み込むのがブラックホールだ。周辺の塵やガスはブラックホール中心部へと回転しながら落ち込むが、この際に発生する数百万から一千万度にも及ぶ摩擦熱により、X線で明るく輝くのが降着円盤である。ブラックホールは光を放出しないため、降着円盤によってその存在が間接的に証明される。

 銀河の中心には大質量のブラックホールが存在する。だが、NGC3147にあるブラックホールは特殊なタイプで、周辺の塵やガスを吸収するための十分な重力が存在しないため、降着円盤を生み出すには十分な塵やガスが与えられていない状態だと考えられていた。

 研究グループによると、このブラックホールはパンケーキ型のように平らではなく、飲み込まれた物質がドーナツのように膨張したもやを形成している状態だという。こういったことから、なぜNGC3147のブラックホール周辺を降着円盤がとり囲むのか謎だった。

■降着円盤の存在が相対性理論を実証

 研究グループはハッブル宇宙望遠鏡を活用し、このブラックホールを計測した。その結果、NGC3147の中心に存在するブラックホールは、太陽の2億5,000万倍もの質量をもつことが判明。そのため、降着円盤はブラックホール深くに埋没しているという。

 この降着円盤が観測できることを説明するのが、アインシュタインの相対性理論である。一般相対性理論によると、重力が時空を歪ませる。降着円盤は超大質量ブラックホールに非常に近いため、巨大な重力の影響による時空の歪みで検出できたのだという。今回の発見は、数少ない相対性理論を検証できる証拠という見方も可能だ。

 また今回、降着円盤内部の物質が光の10%強の速度で回転していることも判明した。非常に高速で回転しているため、降着円盤内のガスは地球に近づくにつれ明るく見え、反対側ではぼんやり見えるという。

 研究の詳細は、英天文学誌である王立天文学会月報にて11日に掲載されている。(記事:角野未智・記事一覧を見る

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