自律神経ががんの増大や転移に影響することを発見 新治療法に期待も 岡山大など

2019年7月10日 18:51

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ヒトの乳がんに侵入する交感神経(写真:岡山大学の発表資料より)

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 岡山大学は9日、自律神経ががんの増大や転移に強い影響を及ぼすことを発見したと発表した。自律神経を操作し、がんを抑制できる新しい治療法の可能性を示唆するものだという。

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■ストレスにより乱れる自律神経
 自律神経は、内臓や血管等の働きをコントロールし、体内の環境を整える機能をもつ。すべての内臓や全身の血管、分泌腺を支配する自律神経は知覚神経や運動神経と異なり、ヒトの意思で自由に動かすことはできない。

 特定のヒトの集団で起きる病気や健康に関する事象を統計的に調べる「疫学研究」では、慢性的なストレスががんの進行を加速させることが報告されている。だが、がん組織に自律神経が入り込むかは判明していない。また、がん組織にだけ分布する自律神経を調べる研究技術も未開発なため、前述の報告を裏付けるメカニズムについては明らかにされなかった。

 岡山大学や国立がん研究センター、福島県立医科大学などから構成される研究グループは、乳がんの増大に伴い自律神経が組織内に侵入することを発見した。また緊張時に活発化する交感神経の密度が高い患者のほうが再発のリスクが高く生存率が低いことも、乳がん組織を解析することで明らかになった。

■遺伝子コントロールによる新治療法の発見
 研究グループはさらに、「ウィルスベクター」と呼ばれる、遺伝子を細胞内に運び遺伝子の組み換えを行なうウィルスを局所注射することで、がん組織内の自律神経の遺伝子を操作して機能をコントロールする「局所神経エンジニアリング」という手法を開発した。この手法をマウスの乳がん組織に対し用いたところ、原発がんの増大や遠隔転移をコントロールすることに成功した。

 がんの治療は外科手術や薬物治療、放射線治療が主だが、治療に対し抵抗性をもつがんや治療による副作用の問題があるため、新しい治療法の開発が待たれる。今回の研究ががんの新しい治療法の開発に貢献するだろうと、研究グループは期待している。

 研究の詳細は、英Nature Neuroscience誌オンライン版にて9日に掲載されている。(記事:角野未智・記事一覧を見る

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