木星観測のチャンス  6月11日に「衝」

2019年6月2日 08:17

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木星。

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 6月11日、木星が地球に最も近づく「衝」となり、見ごろを迎える。「衝」とは、地球から見て木星が太陽と正反対の方向に位置するときのことをいう。衝のときには、最も地球に近づくため、明るく、大きく見える。このとき木星は日没と同時に東から昇り、日の出と同時に西に沈むので、一晩中観測することが出来る。

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■惑星現象について

 衝のような地球と惑星との位置関係を「惑星現象」と呼ぶ。火星や木星、土星など地球の外側の軌道を公転する惑星を「外惑星」、内側の軌道を公転する水星と金星を「内惑星」という。

 外惑星の場合、地球から見て惑星が太陽の方向と一致するときを「合」、太陽と反対の方向にあるときを「衝」という。

 内惑星では、合のパターンは2つある。太陽の向こう側に惑星が位置するのが「外合」、
 太陽と地球の間に惑星が入るのが「内合」である。外合や内合の近くでは、太陽と惑星の位置が重なるため、惑星の観測は難しい。

 内惑星が最も観測しやすくなるのは、太陽から最も離れて見える「最大離角」のときである。太陽を基準に惑星が東西どちらの方向にあるかによりそれぞれ、「東方最大離角」、「西方最大離角」という。内惑星が東方最大離角にあるときには、日没後に西の空に見え、西方最大離角のときには、日の出前に東の空に見える。

■木星とガリレオ衛星

 木星には70個を超える衛星が確認されているが、4つの明るい衛星(イオ、エウロパ、ガニメデ、カリスト)は小望遠鏡でもはっきりと見える。木星の4大衛星は、ガリレオ・ガリレイが発見したため「ガリレオ衛星」と呼ばれている。

 ガリレオ衛星は日によって、あるいは一晩のうちでも木星に対する位置が変化するため、
 木星の周りを回っていることがよく分かる。また木星と重なったり、木星の影に入ったりする現象がしばしば見られる。双眼鏡でも十分楽しめるので、この機会にガリレオ・ガリレオの発見を追体験してみるのもいいかもしれない。(記事:創造情報研究所・記事一覧を見る

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