ゴーン被告が弘中弁護団に募らせる、期待外れの不信感!

2019年5月24日 19:05

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 特別背任などで起訴された日産自動車前会長のカルロス・ゴーン被告が、保釈条件である”妻であるキャロルさんとの接触禁止”を撤回するように求めた訴えが、最高裁判所で棄却された。

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 9日、ゴーン被告は妻との接触を禁止する保釈条件が不当であるとして、東京地裁に撤回を求める準抗告を申し立てたが、東京地裁は即日棄却している。15日になって、同一内容で最高裁判所に特別抗告していたが、20日に4名の裁判官全員の一致により棄却された。

 東京地検特捜部では、ゴーン被告の指示により日産から中東オマーンの販売代理店宛てに支払われた資金の一部が、ゴーン被告の妻であるキャロルさんの会社に流れているとの疑いと、事件関係者にキャロルさんが接触したり、証拠隠滅が懸念されるとしていた。そのためゴーン被告の再保釈そのものに、強硬に反対していた。特捜部がキャロルさんに抱く関心は、事件の核心に最も近い関係者と言えるくらいの重みがあるだろう。

 4月25日に東京地裁が下した再保釈の条件には、検察の懸念を反映して海外への渡航禁止や携帯電話の使用制限などと共に、裁判所の許可なくキャロルさんとの接触を禁止する項目が含まれていた。

 弁護団は再保釈後に、弁護士立ち合いなどの条件を付して2人の面会を請求したが、地裁の了解を得られなかったため、準抗告と最高裁への特別抗告を繰り返した。ゴーン被告は米国の広報担当から「残酷で不必要」との声明を発表し、国際的なアピールも行った。

 弘中惇一郎弁護士は、夫婦の接触禁止が再保釈の条件だったことについて、「不都合がなければ面会が可能と考えていた。こんな条件は不条理だ」と批判し、ゴーン被告がつらそうな表情をしていたと語っている。

 ゴーン被告の弁護団は、東京地裁が再保釈に付した条件をゴーン被告に十分説明し了解を得ていた筈だ。裁判所の許可なくキャロルさんとの接触を禁止する項目についても同様だ。だが弘中弁護士が、「不都合がなければ可能」と考えていたところに、ゴーン被告との認識のずれがある。”東京地裁が許可の権限を握っているのに、不都合がなければ可能”と判断するのはどういうことだろう。不都合であるかどうかは東京地裁が判断することで、内容を説明する義務は始めから負っていない。

 ゴーン被告がつらそうな表情をしていたとすれば、再保釈の条件について弁護団から受けていた説明と、実際に東京地裁や最高裁が下した決定との隔絶に対する怒りではないのか。初回保釈時の変装に対して弁護団への怒りを爆発させたように、ゴーン被告が弁護団へ抱く不信の思いが高まっているのを感じる。

 行動が制約されているゴーン被告にとって、妻のキャロルさんは一心同体の思いで諸事を託せる戦友のような存在だろう。その戦友と、語り合い、自らが出来ないことを代行させられない焦燥感は、第三者には想像することしか出来ない。(記事:矢牧滋夫・記事一覧を見る

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