2つの顔をもつ銀河 ハッブル宇宙望遠鏡が明らかにする

2019年5月21日 20:05

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ハッブル宇宙望遠鏡によって撮影されたNCG 4485 (c) ESA/NASA/Hubble

ハッブル宇宙望遠鏡によって撮影されたNCG 4485 (c) ESA/NASA/Hubble[写真拡大]

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 われわれの住む天の川銀河や、アンドロメダ銀河などと異なり、明確な構造をもたない「不規則銀河」。米航空宇宙局(NASA)が運営するハッブル宇宙望遠鏡が2つの顔をもつ銀河「NCG 4485」の撮影を公開している。写真からは、左側が通常の渦巻銀河の形状をとどめているものの、右側は青色やピンク色の光を放つ天体などで彩られている様子が明らかになっている。

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■非対称銀河を明らかにしたハッブル宇宙望遠鏡

 写真を撮影したハッブル宇宙望遠鏡には、広視野カメラ 3(WFC3)と、掃天観測用高性能カメラ(ACS)が搭載されている。広視野カメラ 3は非常に広い周波数範囲で、広い視野角を撮影できる多目的カメラである。他方、掃天観測用高性能カメラは紫外領域から近赤外領域まで幅広い周波数をカバーするため、遠方銀河におけるクエーサーまで撮影可能だという。これらの装置が複雑な銀河の進化を解明するのに貢献する。

■非対称な銀河を生む原因は別の銀河

 NCG 4485はりょうけん座に位置し、地球から2500万光年彼方に存在する銀河である。NCG 4485もまた、天の川銀河のような渦巻銀河を構成していたと考えられるが、右側だけが原形をとどめていない。対称形が崩れている右側では、新しい恒星が誕生していると予想されている。

 NCG 4485に不規則銀河への変化を誘発したのが、写真の右下にある別の銀河「NGC 4490」。NCG 4485とNCG 4490は数百万年前に接触し、現在は2万4,000光年離れている。2つの銀河が原因で引き起こされる重力の綱引きによって、両銀河のあいだに高密度のガスと塵が発生しているのだという。

 青く輝く天体は太陽の10倍から150倍の質量をもつ大質量星だ。核融合を続ける大質量星はその大きさから燃料が尽きてしまうと、超新星爆発を起こす。超新星爆発後には重元素が宇宙空間へと放り込まれ、再び星が誕生する。NCG 4485の片面は、ガスと塵から新しい星が数多く誕生している状態にある。

 NCG 4485とNCG 4490による接触現象は珍しいものではない。宇宙はビッグバン後膨張を続けているが、宇宙が現在よりも小さい時代には銀河同士の距離が接近しており、遊園地にあるバンパーカーのように接触することが頻繁に起こっていたと考えられる。天の川銀河もアンドロメダ銀河に接触すると予想されており、その時期はかつては約39億年後とされていたが、最新の研究では、約45億年後と予測されている。(記事:角野未智・記事一覧を見る

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