安倍首相が求める「憲法改正」への一考察

2019年5月7日 16:17

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 安倍晋三首相は3日、憲法改正を求める民間団体に以下の様なビデオメッセージを送ったという。「憲法(第9条)に自衛隊(の存在)をしっかりと明記し、(自衛隊を巡る)違憲論争に終止符をうつ」。「2020年を新憲法施行の年としたいという気持ちに変わりはない」。

 私の「改憲の是非論」はともかくとして、「?」という思いを他ならぬ憲法の条文の中に感じ続けていることは事実である。第13条には「国民の生命、自由、幸福追求の権利」に関して、「国政上で最大限尊重される」と記されている。解釈の仕方だろうが私はこう捉えている。「テロリスト集団や外国からの武力攻撃に晒された時、武力をもってしても国民の権利を守るのが為政者の義務」、とである。つまり現行の「第9条」と「第13条」は、二律背反な定めともいえる立場に立っている。私は是非、安倍首相に見解を求めたい。

 また国民の代表である国会議員諸氏に、問いたい。いわゆる「憲法改正国民投票法」をどう捉えているのか、についてだ。憲法改正議論が本格化したのは、国会に憲法調査会を設置する「国会法の一部を改正する法律」が成立した1999年(橋本龍太郎内閣)とされる。それを受け「憲法改正国民投票法」が2007年、第1次安倍政権下で成立。施行は2010年(鳩山由紀夫内閣)。11年近い時間をかけ憲法改正の手続き法は施行されている。

 憲法改正国民投票法の成立で、原案に対して提案者の他に「衆議院で100人以上、参議院で50人以上の賛成があれば発議が可能」となった。同時に同法にはいくつかの条件が付けられた。

 例えば、選挙権年齢「18歳」への引き下げは16年6月に法制化された。だが「公務員の政治行為に係る制限の緩和検討」には、憲法第73条の規定改正が必要となる。クリアしなくてはならない条件が、全て満たされた状況下にはない。

 仮に早々に「条件」が満たされても、憲法第96条という牙城が待ち構えている。「憲法改正は、衆参両院議員の3分の2以上の賛成で国会が発議し国民の承認を得なくてはならない。国民投票では過半数の賛成を必要とする」。昨年5月の日弁連総会でも「96条守るべし」が「慎重な議論が必要不可欠」という視点から採択されている。

 憲法改正を掲げる現政権にとり次回の参議院議員選挙の動向が注目されるところだが、「20年を新憲法の年としたい」とする安倍首相に「改憲派」からも「拙速は避けるべき」の声が強い。「自身が自民党総裁(首相)時代に憲法改正を」というのは、「日本の戦後史に、安倍晋三という名の金字塔を立てたい」という姿勢なら「国民のしっぺ返し」も安倍首相は容認するというのだろうか。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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