カルロス・ゴーン容疑者と弘中弁護士グループの間に、隙間風が吹いている? (下)

2019年4月10日 18:29

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 カルロス・ゴーン容疑者には(1)東京都内の予め届け出をした住居に制限される(2)パスポートは弁護士に預け、海外渡航は禁止される(3)事件関係者との接触は禁止される(4)住居に監視カメラを設置する(5)携帯電話は通話先を限定し、ネットとメールは不可(6)パソコンは弁護士事務所内に設置されたネットに未接続のもの、という保釈条件が付けられていた。

【前回は】カルロス・ゴーン容疑者と弘中弁護士グループの間に、隙間風が吹いている? (上)

 一読して”がんじがらめの”不自由な生活がイメージされるが、ある週刊誌によると”監視カメラは廊下の手摺り柵の部分にストラップで括りつけられているだけで、レンズの向きを簡単に変えることができる”という住民の言葉を紹介し、都合の悪いものは映らなくできるとして、保釈条件の実効性に対する疑問が投じられていた。

 携帯電話に関しても、妻や娘の携帯を借りることがフリーである上、外出して第三者のスマホを借りることも可能なので、証拠隠滅を阻止するような牽制効果は全く効いていないと指摘されている。

 弘中弁護士Gは保釈条件を順守させる立場にあるが、その保釈条件そのものが抜け穴だらけの張りぼてということになると、東京地方裁判所との信頼関係にも響いてくる。

 ゴーン容疑者は成果主義の世界を生き抜いてきた合理主義者だけに、弁護士にも結果を求める。大鶴弁護士は2度に渡る保釈請求を実現出来ななったためゴーン容疑者の信頼を失った。

 弘中弁護士Gは保釈を実現したものの、保釈時の失態(変装)がしこりとなり、加えて再度の拘置所生活に戻らざるを得なくなった。「身柄を取る理由が分からない。非常に不適当な方法だ」という弘中弁護士の発言は、そのままゴーン容疑者から弘中弁護士に向けられた不信の思いとリンクしているだろう。「何故、この逮捕を阻止できないのか?」という弁護士への不満だ。

 9日に公表された動画では「3人の有能な弁護士からも裁判の公共性についての安心材料は提供されていない。公共性を保証するのに必要な条件を3人から説明してもらう」という趣旨の発言をしている。内輪の不満を対外的に公表するのは、録画時点で既に相当のストレスを弁護団に感じているということだ。

 今回の逮捕に前後して、ゴーン容疑者の妻キャロルさんがフランスに出国した背景も意味深だ。キャロルさんは東京地検特捜部の聴取について「身の危険を感じた」と語り、仏政府に直接働きかける考えも示した。キャロルさんの行動がゴーン容疑者の思惑と無関係な訳はない。再逮捕された場合の行動を予め打ち合わせていたと考える方が自然だ。

 そこに、何故か弘中弁護士は存在感を示せていない。キャロルさんの行動は、ゴーン容疑者夫婦のこころの座標軸がどこにあるのかを、語っているのではないだろうか。(記事:矢牧滋夫・記事一覧を見る

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