ハッブル宇宙望遠鏡とガイア衛星から銀河系の質量を測定 その方法は

2019年3月11日 12:29

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球状星団NGC 5466の一部をハッブル宇宙望遠鏡が撮影。(c) NASA, ESA and S.T. Sohn and J. DePasquale (STScI)

球状星団NGC 5466の一部をハッブル宇宙望遠鏡が撮影。(c) NASA, ESA and S.T. Sohn and J. DePasquale (STScI)[写真拡大]

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■天の川銀河の質量

 天文学者たちは、NASAのハッブル宇宙望遠鏡とヨーロッパ宇宙機関のガイア衛星を使い、銀河系(私たちの銀河、天の川銀河)の質量の中で最も正確な測定値の1つを推定した。その最新の測定によると、銀河系の質量は約1.5兆太陽質量(太陽の質量の1.5兆倍)である。銀河を体重計や天秤に載せることはできないが、その質量はどうやって測定するのだろうか。

【こちらも】欧州宇宙機関、太陽の3000兆倍の質量を持つ巨大銀河団の写真を公開

■銀河の回転と質量

 銀河の質量はその回転の様子を調べることによって測ることができる。ハンマー投げの選手が競技場の上でハンマーをぐるぐる振り回しているところを思い浮かべよう。回転が速い程、選手がハンマーを強い力で引っ張っている。選手がハンマーから手を離せばハンマーは遠くに飛んでいく。

 回転する銀河もそれと同じようなものだ。銀河は回転しているため、その中の星が飛びださないように引き寄せている力がある。それは銀河の中にあるすべての物質が及ぼす重力だ。重力は質量に比例して大きくなり、銀河の回転が速いほどその質量は多い。

■ダークマター

 逆に銀河の質量から銀河の回転スピードが推定できる。天文学者はまず、星の数から銀河の質量を推定していた。しかしそうして推定した値を使って銀河の回転速度を計算してみると、実際の観測値と合わない。実際にはもっと速く回転していたのだ。

 この結果を説明するには、星以外に大きい質量を持つ何かが銀河の中にあると考えるしかない。この目に見えない存在は「ダークマター」と呼ばれている。

■球状星団の三次元運動を測定

 今回、天文学者たちはハッブルとガイアを使って球状星団の三次元運動を測定した。球状星団は銀河系の中心からの距離が遠いため、銀河系の周囲を広くとりまくダークマターの質量を測定するのに適している。

 これまでの測定のほとんどは球状星団への視線に沿っていた。ハッブルとガイアは球状星団の横方向の動きを記録しているため、より正確な速度が計算できる。ガイアは全天を広く観測し、ハップルはそれよりは小さな視野でより遠い天体を測定できるため、互いに観測を補う形となっている。

 銀河系の質量を知ることはダークマターの質量を測ることであり、これは、多くの宇宙論的問題の解決にとって重要な手掛かりになる。(記事:創造情報研究所・記事一覧を見る

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