日産の西川社長グループとゴーン容疑者との、瀬戸際の死闘が始まった! (2) 特別背任

2019年1月10日 20:32

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 ゴーン容疑者が逮捕された11月19日夜に、日産の西川廣人社長は記者会見で当時認識している主な不正行為として、(1)有価証券報告書に記載された金額が、実際の報酬より大幅に少ない金額であること(2)私的目的の投資資金が支出されていること(3)私的目的で経費を支出したこと、が確認されたと述べた。

【前回は】日産の西川社長グループとゴーン容疑者との、瀬戸際の死闘が始まった! (1) 序章

 東京地検も有価証券報告書の過少申告容疑でゴーン容疑者を逮捕し、その後特別背任容疑で再逮捕している。

 ゴーン容疑者は東京地裁の法廷で、最初に「為替スワップ契約」について語った。要旨は、「日産では米ドルで報酬を受け取れなかったので、(新生銀行で)為替スワップ契約を結び為替変動のリスクヘッジをしていた。ところが、リーマンショックに起因する金融危機が発生し、円・ドルの為替相場が想定を超えた大幅な変動となり(110円台から80円前後へ)ドルの価値が急激に減少した。このため、(新生銀行から)為替スワップ契約を従来通りに継続するために(18億5千万円の)追加担保を求められたものの、当時手元資金で必要とされる追加担保を用意することが出来なかったので、スワップ契約そのものを日産に肩代わるほかなかった。その後しばらくして自分自身の契約へと戻した。日産に対して損害は一切与えていない(ので罪は発生していない)」ということになる。((カッコ)は筆者)

 次にゴーン容疑者は、ハリド・ジュファリ氏が日産のパートナーとしてどれほど貢献したかを力説する。短くまとめると、「ハリド・ジュファリ氏は長年にわたる日産の支援者で、資金調達でも現地販売代理店との紛争時の解決を含めた日産の販売や工場建設にも尽力してくれたため、同氏の会社から請求された相応な対価を支払った」となる。

 この時期ゴーン容疑者は日産建て直しの手腕を評価されて、ルノーの取締役会長兼CEOを兼務している。既にカリスマとしての地位を確立し、異論を挟む存在は容易に排除できる絶対的な権力を日産の社内で握っていた。

 08年10月の秋にスワップ契約で18億5千万円の評価損が発生し、新生銀行から追加担保を要求された。同月、窮余の策としてスワップ契約を日産に移転した。同年12月頃、子会社である中東日産会社にCEO予備費の創設を指示した。日産の社内では、自然災害に伴う見舞金など予算外の大きな支出に、機動的に使える資金としてCEO予備費を想定していたという。

 09年2月頃、ジュファリ氏が約30億円分の信用保証に協力したため、日産に移転していたスワップ契約をゴーン容疑者の資産管理会社に再移転した。

 09年6月~12年3月にはCEO予備費からジュファリ氏の会社に4回で約16億円を支払い、同様にオマーンとレバノンの2名の知人に合計53億円を支払った。

 こうした時系列的な流れを見る限り、相互の動きに関連性があると感じても不思議はない。スワップ契約で求められた18億5千万円の追加担保に窮したゴーン容疑者が、日産に契約を移転し、自在に使えるCEO予備費を創設した上で、旧知のジュファリ氏の支援でスワップ契約を再移転し、その謝礼をCEO予備費で払ったと読めてしまう。日産の事業に貢献した正当な対価であるなら、営業推進や販売促進経費を当てれば済むことで、「自然災害に伴う見舞金」を充当するのは如何にも訝しい。(記事:矢牧滋夫・記事一覧を見る

続きは: 日産の西川社長グループとゴーン元会長との、瀬戸際の死闘が始まった! (3) 金融商品取引法違反

関連キーワード日産自動車カルロス・ゴーンルノー西川廣人レバノンオマーン

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