アルマ望遠鏡が衛星エウロパの地質変動の謎解明に貢献 米大学らの研究

2018年10月31日 08:28

小

中

大

印刷

アルマ望遠鏡の観測から作成した温度地図 (c) ALMA (ESO/NAOJ/NRAO), S. Trumbo et al.; NRAO/AUI NSF, S. Dagnello; NASA/ESA Hubble Space Telescope

アルマ望遠鏡の観測から作成した温度地図 (c) ALMA (ESO/NAOJ/NRAO), S. Trumbo et al.; NRAO/AUI NSF, S. Dagnello; NASA/ESA Hubble Space Telescope[写真拡大]

写真の拡大

 木星を公転するエウロパは、表面の氷の下に生命が存在することが期待される衛星だ。国立天文台は24日、地質変動が近年まで存在したとされるこの謎の衛星に関して、アルマ望遠鏡を活用して温度地図を作成したことを報告した。これにより、地質的活動のメカニズムと温度との関係が解明されるという。

【こちらも】“木星の月“エウロパ 地中わずか1cm先に生命体の痕跡か

■生命が存在すると期待されるエウロパ

 木星の4大衛星のなかで2番目の大きさをもつエウロパは、直径3,000キロメートル強の衛星だ。17世紀初頭に天文学者ガリレオ・ガリレイによって発見されるなど、その歴史は古い。表面が氷で覆われていることから、その下には生命が存在することが期待される。

 1989年に米航空宇宙局(NASA)によって打ち上げられた木星探査機ガリレオは、1995年に木星に到達、エウロパを含む衛星や木星の観測を続けた。ガリレオから送信されたデータにより、エウロパの表面の氷の下には深い海が存在することが明らかにされ、生命が生息するのに適した環境だと期待されるようになった。

■温度を計測可能なアルマ展望台

 米カリフォルニア工科大学の惑星科学者らが参加する研究グループは、アルマ望遠鏡を活用し、エウロパの温度地図を作成した。国立天文台と米欧が協力して建設されたアルマ望遠鏡は、南米チリの高地に建設され、2011年から観測を開始した。

 アルマ望遠鏡は、天体の温度に対応したさまざまな波長の電磁波を検出できる電波望遠鏡だ。研究グループはアルマ望遠鏡が観測したエウロパのデータと、探査機ガリレオからの観測に基づいて作成された温度モデルとを比較、エウロパの温度を示す地図を世界で初めて作成した。これにより、エウロパの北半球に謎の低温領域が存在することも明らかになった。

 エウロパの表面は1億8,000万年前から2000万年前にかけて作られた比較的若い地形であることと考えられており、地質的活動が最近まで存在していたことを示唆する。「地表の温度が地質的活動の場所や程度を決めるため、非常に関心が高い」と研究グループの主要メンバーである米カリフォルニア工科大学のサマンサ・トランボ氏は語る。

 研究の詳細は、米天文学誌Astronomical Journalにて9月18日に掲載されている。(記事:角野未智・記事一覧を見る

関連キーワードNASA国立天文台アルマ望遠鏡木星エウロパ

「宇宙技術・天体」の写真ニュース

IT・サイエンスの最新ニュース

RSS

もっと見る

主要ニュース

RSS

もっと見る

広告

SNSツール

RSS

facebook

zaikeishimbun

いいね!

twitter

@zaikei_it

フォロー

google+

Hatena

広告

ピックアップ 注目ニュース