三菱重工、中期計画で持続的成長により大幅増益を目指す

2018年10月24日 08:43

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 三菱日立パワーシステムズ(MHPS)は10月12日、中国の三門原子力発電所1号機に納入した蒸気タービン発電設備で、必要な性能試験の全項目をクリアし、引き渡しを完了したと発表した。これにより今後125万KWの高品質なタービン発電設備によるエネルギーの安定供給が見込まれる。

【こちらも】イギリスで高まる日立と三菱重工の存在感 原発と再エネが同時進行か?

 MHPSはライバルのGEやシーメンスに対抗するため、2014年に三菱重工が65%、日立が35%出資して設立された。

 三菱重工業は、1884年三菱の創業者岩崎弥太郎が工部省長崎造船所を借り受けて発足した。造船から出発して兵器、戦艦大和、ゼロ戦などを製造したが、戦後財閥解体により3社に分割され、1964年に再統合し三菱重工となった。

 造船をはじめ交通輸送システム、民間航空機、発電システムなどのインフラ、宇宙システムに至るまで幅広い分野に高度な技術ソリューションを提供する三菱重工の動きを見ていこう。

■前期(2018年3月期)実績と今期(2019年3月期)見通し

 前期売上高は4兆1,108億円(前年比5%増)、営業利益は前年よりも240億円減の1,265億円(同16%減)であった。

 営業利益減少の主な要因としては、パワー部門は原子力の売上減少をガスタービン、高効率火力発電などの売上増でカバーし4億円の増益に対し、インダストリー&社会基盤部門は9%の増収だったがエンジニアリング・量産品事業で将来リスクに対し400億円の引当金を計上したため92億円の減益、航空・宇宙・防衛部門では艦艇の好調により3%の増収だったが納期延期を繰り返してきた小型ジェット旅客機「MRJ」の開発費など250億円の引当金計上により160億円の減益などによるものである。

 今期から国際会計基準(IFRS)を導入し、売上収益は4兆2,000億円(同3%増)で、事業利益は前期引当金計上の反動とMHPS原子力事業の好調などにより1,600億円(同174%増)を見込んでいる。

■中期計画(2019年3月期~2021年3月期)持続的な成長により大幅増益

 今期売上収益4兆2,000億円、事業利益1,600億円の見込みに対し、2021年3月期売上収益5兆円(今期比19%増)、事業利益3,400億円(同113%増)を目指して下記の戦略を推進する。

 1.売上、総資産、時価総額の比率を1対1対1とするトリプル1のバランス経営推進
 キャッシュフロー利益(純利益+減価償却費)とアセット削減の範囲内でMRJなどの新規事業、生産性向上、構造改革などへの投資を行う。

 2.低炭素から脱炭素など気候変動、IOTデジタル化など急激な社会の変化へ対応し、成長戦略と事業拡大投資によりグローバル経営を強化。

 3.部門別目標と成長施策

 ・パワー部門 (今期事業利益1,350億円→2021年3月期事業利益1,900億円)
 機器売りからサービス売りへの転換、ターボマシナリー製品と技術を統合したシナジー追求、石炭火力縮小とガス火力売上増、航空エンジン事業拡大。

 ・インダストリー&社会基盤部門 (同800億円→同1,600億円)
 フォークリフトの無人化、IOT化などによる成長、冷熱事業のグローバル拡販、商船事業の強化改革。

 ・航空、防衛、宇宙その他部門 (同△550億円→同△100億円へ改善)
 MRJ事業再構築による開発費の減少と民間機事業の生産性向上。

 ボンバルディア出身者採用などによりMRJ事業再構築が順調に進み始めたが、機密流用で三菱航空機が提訴を受けることになり、今後も三菱重工の動向に注目だ。(記事:市浩只義・記事一覧を見る

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