BMW韓国で炎上 原因特定の遅れは何を示す (1)

2018年9月24日 17:44

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BMWのドイツ・ミュンヘン本社。(c) 123rf

BMWのドイツ・ミュンヘン本社。(c) 123rf[写真拡大]

 まず、自動車火災について、日本では年間4,000件余り起きており、原因は多種に渡っている。そのためBMWで火災になっていても、必ずしもすべての火災が「欠陥」によるものと断定はできない。意外にも火災は日常的に起きており、この私も、幾度か自動車火災の現場に居合わせている。

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 そこで、BMWの発表しているリコール対象にはなっていない車種の火災が、一連の火災事故と繋がっているとも言い切れない。36台の火災が確認された時点で、そのうち7台が、リコール対象となっているBMW・520dとは違う機種であったり、そもそもガソリンエンジンであったりする。しかし、BMWの発表が嘘であると言い切るのは、原因を特定してからにしなければならない。

 その上で、「ディーゼルエンジンのEGR(排気再循環)クーラントの漏れが原因」とするBMWの発表を検証してみよう。

■疑問1:「時間がかかりすぎる」

 BMWが原因追及にこれほど時間がかかるのは、どう見ても正常ではない。韓国1国で火災事故が続いているとして、韓国特有の部品やソフトなど1国だけの特殊な条件を洗い出すのに、それほど時間を要するわけがない。また、その原因について実験を重ねて特定するとしても、時間がかかりすぎる。

■疑問2:「EGRの問題だけなのか?」

 仮に、BMWの発表の通り、原因はEGR(排気再循環)にあるとして、その部品は韓国市場だけで使われているものではないようだ。世界で同様の部品を使っているようで、「なぜ韓国でのみ火災になるのか?」説明がつかない。そこで、アメリカ以外では制御ソフトも共通とのことで、残る世界市場と韓国市場での違いは、軽油・ガソリンなど韓国国内の燃料との問題と見えてくる。しかし、これも事前にテストが繰り返されてきているはずで、原因として特定するには根拠が乏しい。

■疑問3:「ソフトウェアの不正」

 ここで、どうしてもVWをはじめとした排気ガス規制逃れの不正を思い出してしまう。BMW、VW、ベンツなどドイツ各メーカーは、日本の「独占禁止法」の「談合」に当たる疑いで、強制捜査を受けることになっている。これを鑑みると、BMWだけが排気ガス制御プログラムなどの不正がないと信じることはできない。すると、BMWが韓国の排気ガス規制に合わせることによってなにがしかの不正があり、その事実を隠すために「あやふやな態度」を取っている可能性を、疑いたくなる。

 次は、疑問4:BMWの「欠陥隠しのやり口」を実例で見てみよう。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る

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