トルクと馬力が分かると運転がうまくなる(2) ホンダ・S2000に乗りたいマニアの心境

2018年8月30日 07:05

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ホンダ・S2000 Modulo "Climax" (画像: 本田技研工業)

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 ホンダ・S2000に乗る時のことを考えてみよう。「高回転型エンジン」と言われるエンジンを積んでいる。要するに、低回転ではいたってトルクが少ないので発進も難しくなるのだ。しかし、あこがれの車でもある。それは、エンジンを高回転で回すと、すこぶる力強いからだ。高回転で「馬力はある」からだ。低回転では情けないほどなのに、高回転ではいたって活発で力強いのだ。そして他の乗用車のエンジンなどと比べると、エンジン回転数が高くまで回るので、結局「馬力がある」と言われることになる。

【前回は】前は:トルクと馬力が分かると運転がうまくなる(1) 単位なんかどうでもよい、今更聞けない基礎知識

 ホンダ・S2000のような「高回転型エンジン」を積んだ「ライトウエイトスポーツカー」は、エンジンを高回転で回し続けると、速く活発に走ることが出来るのだ。私も若いころ、エンジン回転を高回転に保ったまま走るために、「シフトチェンジ」を練習した。カーブに差し掛かるとブレーキをかけることになる。すると、エンジン回転も下がってしまう。だから4速で走っていたのなら、3速、2速とシフトダウンしてエンジン回転を保つ努力をする。そうすることで、カーブを曲がり切って加速するとき、スピードが落ちた割にはエンジン回転数が下がっておらず、勢いよく立ち上がることが出来るのだ。レースでの争いはそこにあることになる。

 つまり、馬力は「運動量」のイメージで捕らえると感じやすいのかもしれない。馬力は「仕事の効率」だから、「あの人は馬力があるな~」などと形容されるように、力強さ(トルク)と、素早さ(馬力)が混同したような単位だ。

 一方で、運転者の立場では「トルク」が大きいほうが使いやすい。馬力が高くても回転が必要だと、テクニックでエンジンを回し続けなければならない。近頃の車で低速トルクが重んじられるのは当然だ。ポルシェやフェラーリでさえ、低速トルク重視なのだ。それは燃費規制と相性が良く、ダウンサイジング・ターボはガソリンエンジンであっても低速トルクを強くできて、燃費と使い勝手の両方を高めてくれる。さらに、低速でのスーパーチャージャーのサポートや、モーターのサポートは「使いやすい」ことでは最高だ。レーシングマシーンにおいても、モーターのサポートはコーナーからの立ち上がりで早さを見せつけてきた。ルマン24時間レースでのトヨタとポルシェの戦いでは、ガソリンエンジンとモーターのハイブリッドの強さを見せつけていた。

トヨタ・プリウスは、その気になればスポーツカー顔負けの加速力を見せられるのだ。また、スバル・フォレスターのようなラフロードカーでは、低速でのモーターアシストがあると、障害物を超えるときなど、エンジンが低回転で情けないトルクの時に力強くなり、理にかなっているのだ。つまり、ホンダ・S2000のような運転テクニックを必要としない車にするには、モーターのトルク特性がマッチしている。でも、なぜか私はホンダ・S2000が恋しくなる。マツダ・ロードスターを女房が「ATにしたい」と言った時、落胆した気持ちはマニアにしか分からないだろう。(kenzoogata)

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