スバル・新型フォレスター試乗(4) 2.5Lガソリン車とe-BOXERどちらが良いのか?

2018年8月6日 17:16

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新型フォレスター・e-BOXER

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■「2.5Lガソリンエンジン」 VS 「2Lガソリンエンジン+モーター(e-BOXER)」のどちらが良いのか?

 スバル・新型フォレスターは、どちらにしても「怒涛の力」と言った車ではない。2.5Lガソリンエンジン車でも不足はないが、それほどの加速力はない。前面投影面積が大きいラフロード走行性能のあるSUVのため、高速巡行は100km/h程度にしておいたほうが燃費は良いだろう。およそ100km/h前後でエンジン馬力の半分を空気抵抗が奪う。もちろんデザインで空気抵抗を減らすことが出来るが、それならばSUVは不利になる。ヨーロッパの高速走行の多い使用環境でもSUVが流行るのは合点がいかないところだ。

【前回は】スバル・新型フォレスター試乗(3) 操縦性能で唯一の欠点と先進安全装備

 スバル・新型フォレスターの燃費性能を見てみる。


「ガソリンエンジン車:14.6km/L」 Vs 「e-BOXER:18.6km/L」では、4km/Lの差。


「ガソリンエンジン車:13.2km/L」 Vs 「e-BOXER:14.0km/L」では1.2km/Lの差。
市街地モード(WTC-L)= 「ガソリンエンジン車:9.6km/L」 Vs 「e-BOXER:11.2km/L」では、1.6km/Lの差。
郊外モード(WTC-M)= 「ガソリンエンジン車:14.6km/L」 Vs 「e-BOXER:14.2km/L」では、逆転▲0.4km/Lの差。
高速モード(WTC-H)= 「ガソリンエンジン車:16.4km/L」 Vs 「e-BOXER:16.0km/L」では、逆転▲0.4km/Lの差。

 この結果では、e-BOXERが低速でモーターに補助されて優秀な燃費となっているが、高速ではガソリンエンジン車が有利となる結果が出ている。これはJC08・WTC-L モードの結果の通り、日常の市街地走行、並びにオフロード走行が多い場合、明らかにe-BOXERが有利である。e-BOXERは、車両重量で2.5Lガソリン車と比較すると110kgも重くなっており、100kg車重が軽くなると1km/1L燃費が良くなると言われているため、かなりの負担であろう。やはりHEVについては、バッテリー重量が問題だ。

 ここで疑問になるのは、e-BOXERのガソリンエンジンを2Lとせず2.5Lとすればどのような結果となったかである。エンジンにとって、走行性能と燃費性能に特に関係の深いミッションの変速比(ギア比)で、その狙いを見てみることにする。

<リニアトロニック・マニュアルモードの減速比>
2.5Lガソリン : e-BOXER
1速 3.600 : 3.552
2速  2.323 : 1.892
3速 1.647 : 1.474
4速 1.241 : 1.228
5速 0.979 : 1.024▲
6速  0.746 : 0.852▲
7速 0.557 : 0.682▲
最終 3.700 : 3.900▲

 このギア比の差を見る限りでは、やはり1速~4速までは2.5Lガソリンエンジン車の変速比が大きくなっている。最終減速比を考えても、e-BOXERは中・低速でモーターのアシストを受けて、加速性能も燃費も低速では有利なことが分かる。しかし、高速域では2.5Lエンジンと2.0Lエンジンの差がそのまま表れており、最終減速比が大きいe-BOXERが不利になっている。このため、むしろe-BOXERでも2Lエンジンではなく2.5Lエンジンを組み合わせたほうが、燃費もよくなる可能性があるようだ。むろんギア比のセッティング次第だが、この辺りは運転の仕方が大きくかかわるので、断言はできない。

 開発者の狙いがどこにあるのか?聞いてみたいものだ。多分、使い方の違いを想定しているのだろうと感じる。日本市場では、ユーザーの使い方は日常使用でほとんどがオンロード、高速が少々、大部分が街中の走行であると、2Lガソリンエンジンとモーターの組み合わせがベストとなる可能性が高い。しかし、わざわざスバルがトルクコンバーターを残しているのを見ると、2.5Lガソリンエンジン車でもオフロードの走行感は満足のいくものであろう。本格的オフロードで試してみたいものだ。

 おそらくはターボ車の用意があるのであろう。現在の2つのパワートレーンではカバーしていない領域があるようだ。ターボ車に、どのような性格付けをしているのか楽しみにしよう。ベンツS450のように48V電源はないので、開発者の方向付けが興味をそそる。

■経営陣の視野の広がりを期待する

 実際に試乗してみて、これほどの商品企画力が感じられるスバル・新型フォレスターに接してみると、品質管理の観点から、マネーゲームに偏らず現場の作業とのつながりを認識した経営がなされることを切に願う気持ちになった。つまり、現在の経営者が認識できていない技術力が社内にはあるのだ。だから、現在の北米の販売戦略「LOVEキャンペーン」に、マツダのような生産技術の戦略を加味して、トヨタのTNGAに倣っていけば、スバルは将来も盤石となれると感じる。経営陣の視野の広がりを期待する。(kenzoogata)

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