免疫血清検査の国内市場、検査数・検査薬ともに順調に拡大 富士経済

2018年5月31日 20:19

印刷

画像はイメージです。

画像はイメージです。[写真拡大]

 富士経済は30日、臨床検査のうち、人から採取した血液や尿、便などを分析する検体検査で免疫反応を用いて測定する免疫血清検査市場の調査結果を発表した。

【こちらも】アルツハイマー病を簡単な検査で判定可能な技術が開発

 17年の免疫血清検査市場は、検査数9億1,081万件、検査薬2,117億円。17年冬から18年春にかけてインフルエンザの流行が大きく、インフルエンザ抗原A/B迅速検査の需要が急伸。検査数、検査薬の市場ともに拡大したという。

 18年はインフルエンザの流行が平年並みとみて、検査数は前年比微増、検査薬は同微減が見込まれている。以降はインフルエンザをはじめとする感染症の大流行、花粉の大量飛散などが無ければ検査数、検査薬ともに微増推移が予想されるという。

■主要検査領域の検査薬市場

 がん領域の23年市場は17年比109.2%の415億円と予測。

 がん領域は、高齢化に伴うがん患者の増加や、行政による検診の推奨により検査数が増加し、市場が拡大。

 ホルモン領域は、BNPやNT-proBNP、プロカルシトニンなどといった検査項目が伸長しているが、市場に与えるインパクトが軽微、微増推移となっているという。

 感染症領域は、17年の市場はインフルエンザの流行が大きく、迅速検査が急伸し拡大。18年はインフルエンザの流行が例年並みとみて前年比縮小を見込んでいるという。以降市場は微増推移を予測。現在、診断と治療が直結しているのはインフルエンザのみであり、この検査の増減は疾患の流行を反映しているという。

■主要測定方法の検査薬市場

 化学発光法の23年市場は17年比111.7%の1,025億円と予測。

 検査薬市場を測定方法別にみると、18年は化学発光法が44.9%、CG法(イムノクロマト法。簡易EIA法、金コロイド法含む)が17.0%を占めると見込まれている。定量法は化学発光法、定性法はCG集約される傾向にあるという。

 定量法では化学発光法に代わる測定方法はまだ確立しておらず、今後も化学発光法が市場において大きなウエイトを占めると予想。

 定性法では、以前は感染症を中心に赤血球凝集法、PA法などが普及していたが、検査精度向上を目指してイムノクロマト法への変更が推奨され、操作も簡便であることから現在ではPOC検査のメインの測定法となっているという。

関連キーワード

関連記事