GWに異変、大都市圏の繁華街来訪者が激減 物価上昇が影響か

2025年6月2日 16:11

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 2025年のゴールデンウイーク(4月29~5月6日)期間中、大都市圏の繁華街来訪者が福岡市の天神エリアを除き、前年に比べて大幅に落ち込んだことが、商業用不動産仲介のゼン・ランドの調査で分かった。ゼン・ランドは原因について明らかにしていないが、例年より連休が少なかったうえ、物価上昇で支出を抑える動きがあったとみられる。

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 ゼン・ランドは、東京都新宿区と大阪、名古屋、札幌、福岡、仙台の5市を対象に、KDDIの位置情報データなどからターミナル駅周辺と近接する繁華街の人流を計測し、連休期間中の祝休日の数字を前年と比較した。

 それによると、新宿区は来訪者が若い世代ほど多かったが、新宿駅東口で前年比18.1%減、歌舞伎町エリアで同21.6%減の大幅減となった。大阪市はJR大阪駅・大阪メトロ梅田駅周辺(北区)で同11.8%減、大阪メトロ心斎橋駅・なんば駅周辺(中央区)で同12.3%減。市内の夢洲(此花区)では大阪・関西万博が開催中だが、人出は伸びなかった。

 名古屋市は名古屋駅東口(中村区)で同8.7%減、栄エリア(中区)で同14.3%減。新宿や大阪に比べ、30代の減少が著しかった一方で、70代以上は増加している。札幌市は札幌駅南口(北区)で同13.8%減、すすきの(中央区)で同18.6%減。すすき野は20代の減少が著しかった。

 福岡市は天神エリア(中央区)で同3.7%減、中洲エリア(博多区)で同18.8%減。天神エリアは30代と40代、70代以上が前年を上回り、小幅の減少にとどまっている。仙台市は仙台駅西口(青葉区)で同13.6%減、国分町(青葉区)で同20.2%減となった。

 JTBなど多くの旅行会社が連休前、宿泊費や飲食費など物価上昇の影響で連休中の人出が減るとの分析を明らかにしていたが、その通りの結果が確認された。さらに、大阪などでは訪日客増加による混雑回避の動きや、宿泊施設を確保できないこともあったと考えられている。(記事:高田泰・記事一覧を見る

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