C型肝炎が腸内フローラの異常を招く 日本医療研究開発機構の研究

2018年5月6日 11:36

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肝性脳症。(画像:日本医療研究開発機構発表資料より)

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 先に説明しておくが、腸内フローラというのは、ヒトの腸内の細菌の群生のことである。さて、C型肝炎に持続的に感染すると、腸内フローラに変化が生じ、病状が悪化するほどに腸内フローラが破綻(dysbiosis)していくことが、日本医療研究開発機構の研究によって世界で初めて突き止められた。

 もう一度腸内フローラについて説明しよう。ヒトの腸には、数百種数百兆個以上の多種多様な細菌が生息している。小腸から大腸にかけてこれらの細菌のグループごとのまとまりが壁面に棲んでおり、顕微鏡で覗き込むと、それはまるで花畑(フローラ)のように見える。ということで、腸内フローラという呼び方をする。

 腸内フローラはヒト自身の細胞とは別のものであるが、しかしヒトの生存にとって必要不可欠なものであり、健康の維持、病気の予防などに関わっている。当然、これが乱れれば様々な角度から健康に支障をきたす。腸内で重要な働きをする常在菌が減り、細菌の種類が減り、普段は増加しないはずの菌類が増加した状態を、腸内フローラの破綻という。

 さて今回の研究では、健常者23名、C型肝炎の、まだ発病していないキャリアから肝癌患者に至るまでの多様な病期の被験者、166名の便や、臨床情報が収集された。そして次世代シーケンサーと呼ばれる遺伝子の塩基配列を高速で読み取る技法を用いて、腸内フローラの特徴を解析した。

 結果として、発病者はもちろん、まだ発症しておらずC型肝炎ウィルスを保有しているだけの患者であっても、腸内フローラに変化が生じているという事実が確認されたという。

 なお研究の詳細は、Infectious Diseases Society of America(米国感染症学会)の電子版雑誌「Clinical Infectious Diseases(クリニカル・インフェクシャス・ディジーズ)」で公開されている。(藤沢文太)

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