ドローンは、空飛ぶ「Wi-Fi基地」になる【スマホでサンマが焼ける日】

2018年4月3日 23:29

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記事提供元:biblion

 【第11回】電気・エネルギー業界は今、50年に1度の大転換期を迎えています。電力自由化をきっかけに各家庭へのスマートメーター導入が開始され、電力産業、電力関連ビジネスは一気にデジタル化の道を歩み始めました。本連載では、RAUL株式会社代表取締役の江田健二氏が、IoTとも密接な関係を持つ電力とエネルギーの未来を、ワイヤレス給電、EV(電気自動車)、ドローン、ビッグデータ、蓄電池、エネルギーハーベスティング、VPPといった最新テクノロジーの話題とからめながら解説します。

ドローンは、空飛ぶ「Wi-Fi基地」になる【スマホでサンマが焼ける日】

 本連載は、書籍『スマホでサンマが焼ける日』(2017年1月発行)を、許可を得て編集部にて再編集し掲載しています。

ワイヤレス給電の需要が高まるドローン

 現代のタケコプターとも言えるのが、今世界中で注目されている無人小型航空機「ドローン」です。
 私は、ドローンはEVと並んで近い将来、ワイヤレス給電のニーズが急激に高まるマシンのひとつだと考えています。

 ところでそもそもドローンは、そんなに私たちの生活に必要なものなのか? どんな需要があるのか? と疑問を抱いている方が多いと思います。そこで、まずは近い将来実現すると考えられるドローンの活用例を具体的にご紹介しておきましょう。

1 物流・配送

 ドローンは、まずモノを運ぶ物流・配送の分野で大きな貢献を果たすことになるでしょう。つまり、今宅配便などで人間が商品を運んでいる作業を、ドローンが代わりにやってくれるのです。
 実際、すでにアマゾンはドローンを使った次世代の物流・配送システムを開発、実用化を進めています。ワンクリック注文からわずか30分、1時間以内で商品が自宅に届くという未来はすぐそこまで来ています。

2 災害救助

 山や海などで人が遭難したとき、救助隊がなかなか遭難現場を見つけられない、または遭難の場所が分かっていても、危険がともない人間が近づけない、というケースがよくあります。そんなとき、やはりドローンが役立ちます。
 また地震や台風などの天災や災害発生時、ドローンはどんな過酷な状況下でも飛行でき、搭載されたカメラやセンサーで状況調査や人命救助の手助けができます。

3 監視・点検

 高い建物や巨大な屋外設備(たとえば巨大アンテナやタワー)など、今人間が事故のリスクを負いながら、または長時間かけて行っている監視・点検作業を、これからはドローンが行ってくれるようになり、そうした作業の効率化に貢献します。
 また人間では入り込めない狭い場所にも入れるので、そうした作業の領域が広がり安全性が高まります。

4 映像撮影

 ドローンは、その飛行方法、操作性の高さから、今まで人間が撮影できなかったような映像を撮影することができます。
 今後さらにドキュメンタリーや映画、CMなどの商業用映像などに活用されるでしょうし、報道映像などジャーナリズムの分野でも活躍するでしょう。
 これまで戦場カメラマンが命がけで撮影していた映像以上の衝撃的な映像を見せてくれるでしょう。
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5 農業ビジネス

 今、最先端テクノロジーを活用した「IT農業」(スマートアグリ)が注目されていますが、ドローンは農業の分野でも期待されています。
 たとえば広大な農場を監視して作物の生育状況や問題をチェックしたり、肥料や農薬を散布したり、農業ビジネスの効率化に貢献するでしょう。

6 電波や電力の発信装置

 ワイヤレス給電技術を利用して、ドローン自体が電気を各家庭などに飛ばす「空飛ぶワイヤレス給電装置」になる可能性もあります。
 そうなると、今、送電インフラがなく電気を使えない地域にでも電気を使うことができるようになります。
 また、まだまだ地球上にはインターネット接続できない地域がたくさんあります。そうした地域に飛んでいって「空飛ぶWi-Fi基地」となり、世界中の人がインターネットにアクセスできるようになるかもしれません。

ワイヤレス給電の技術が、ドローンの使用用途を広げる

 ドローンは、ただリモコン飛行機のように飛ばしているだけでは意味がありません。
 スマートフォンやインターネットと連動することにより、その利用価値・用途が無限に広がっていくのです。ドローンのもたらす経済効果は2025年までにアメリカ国内だけで8兆円を超えると試算されていますが、現在、ドローンの技術開発における大きな課題の一つがバッテリー問題です。バッテリーの性能・容量が飛行時間に大きく関わってくるからです。

 ドローンは充電式で、メーカーによって様々な充電池が使われていますが、現在販売されているドローンの平均的な飛行時間はたったの20分。これでは先ほど話したような実用化はできません。
 今、代替バッテリーが研究されていますが、一方で注目が集まっているのが「ワイヤレス給電」です。
 タケコプターのように、しばらく飛んでいたらバッテリーがなくなって、またもとの場所まで充電のために戻ってこないといけない、では役に立ちません。ドローンへのワイヤレス給電技術が発達すれば、ドローン同士が空中でお互いに電気の融通をしたり、母船のようなドローンから各ドローンに電気を飛ばして充電したりといったこともできるようになるでしょう。
 最近、立命館大学の院生グループがマイクロ波で給電しながら飛ぶドローンを開発し話題になりましたが、ワイヤレス給電技術が実用化すれば、ドローンの飛行時間とともに飛行領域が一気に拡大します。
 また、もっと大型のドローンで人やさらに重い物を乗せて移動できるようになるでしょう。新たな夢が広がります。

書籍著者:江田 健二さん

書籍著者:江田 健二さん「環境・エネルギーに関する情報を客観的にわかりやすく広くつたえること」「デジタルテクノロジーと環境・エネルギーを融合させた新たなビジネスを創造すること」を目的に執筆/講演活動などを実施。富山県砺波市出身。慶應義塾大学経済学部卒業。アンダーセン・コンサルティング(現アクセンチュア株式会社)に入社。エネルギー/化学産業本部に所属し、電力会社のCRMプロジェクト、大手化学メーカーのSCMプロジェクト等に参画。その後起業、環境・エネルギービジネスの推進や企業のCSR活動を支援している。RAUL株式会社 代表取締役、一般社団法人エネルギー情報センター理事、一般社団法人エコマート運営委員。 元のページを表示 ≫

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