スルガ銀行は「かぼちゃの馬車」で何処へ行く!(1)

2018年3月1日 06:51

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 1月10日に2544円を付けたスルガ銀行の株価が2月26日には1875円にまで値下がりした。僅か1カ月半で669円のダンピングとなり、率に換算すると25.4%のダウンである。

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 スルガ銀行は静岡県という、日本経済の本流からは遠いところに本店を置く地方銀行で、銀行の規模を示す際に使われる総資産額では中の下程度の規模であるが、総資産に対する業務純益率では、地銀平均が0.3%であるのに対して、けた違いの1.42%の収益力を誇る優良経営で知られている。

 そんな優良な銀行の株がなぜ値下がりしたかというと、「かぼちゃの馬車」に絡んでしまったためだ。「かぼちゃの馬車」というとメルヘンチックで、若い女性に理屈抜きで受け入れられてしまう名前かも知れないが、その実像はなかなか怪しい。

 首都圏を中心として13年8月から、女性専用と謳ったシェアハウス「かぼちゃの馬車」を展開していたスマートデイズ社は、17年10月まで800棟以上のシェアハウスを販売してきた。このシェアハウスのオーナーは不動産投資を目的とした、会社員や公務員などの一般個人が大半を占めている。従来不動産投資はワンルームマンションやアパートが一般的だったが、「かぼちゃの馬車」はシェアハウスと謳っていながら、共用リビングを設けずに部屋数を多く確保した特異な建物である。

 オーナーに対する最大のポイントは「家賃の一括定額保証」であった。サブリース契約を締結し、「空室リスクはない」とPRすることで、700名ものオーナーを集めた。ところが、17年10月にスマートデイズ社が一方的に「サブリース賃料の改定」との通知を発信し、約20%以上の賃料の減額を実施したことからオーナーの間に動揺が広がり、今年1月にはオーナーへの賃借料の支払いが止まってパニックとなった。

 オーナーとは名ばかりで、ほとんど全額をローンでまかない、家賃の一括定額保証を返済原資にしていたため、賃借料の支払いが止まればローンの返済計画は破綻する。スマートデイズ社は不動産投資に憧れる素人を取り込むため、借入と返済の不安を考えさせないように家賃保証を謳った。もともと「かぼちゃの馬車」の管理収入では到底儲からないビジネスモデルだった。そこを埋めたのが工事費を嵩上げした「かぼちゃの馬車」の販売である。このシステムは、際限なく建築工事が継続されて、販売が続かなければ破綻する危ういものだった。そのローンを、一手に引き受けていたのではないかと看做されているのが、スルガ銀行である。(矢牧滋夫)

【続き】スルガ銀行は「かぼちゃの馬車」で何処へ行く!(2)

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