古書の中から発見された隕石小片の正体を分析、極地研などの研究

2017年12月31日 17:36

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分析した隕石。図中の黒線は5mm。国立科学博物館所蔵。(画像:国立極地研究所発表資料より)

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 1950年代、京都の土御門家(つちみかどけ)の古典籍の中から、約0.1gの隕石小片が発見された。紙包みが同梱されており、1817年12月29日に落下した八王子隕石についての記述と、1866年6月7日に落下した曽根隕石についての記述があった。

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 長らく、この隕石小片は八王子隕石の断片の一つであると信じられてきたのだが、果たしてそれは正しかったのか。それについて今回分析を行ったのが、国立極地研究所、九州大学、国文学研究資料館、総合研究大学院大学からなる研究グループである。

 1817年、つまり文化十四年の隕石は相当な多数が八王子一帯に降り注いだらしい。それに関する様々な記録が残されており、また発見された隕石の一部は江戸幕府勘定奉行所に届けられて天文方の調査するところともなったのだが、既に散逸しており、確かに間違いなく八王子隕石の一つである、と裏付けられる現物は残っていない。

 一方、曽根隕石というのは、京都に落ちた約17キログラムの隕石である。現在、京都府が所蔵し、国立科学博物館が寄託を受け展示している。

 この隕石小片が八王子隕石であると証明することは非常に難しい。比定に用いるべき他の八王子隕石が存在しないからである。だが、曽根隕石の方は前述のようにサンプルがあるので、比定が可能である。

 ただ、わずか0.1グラムの小片を分析することは、従来の技術では困難であった。それで今までこの隕石の正体は謎のままであったのだが、今回は、「はやぶさ」のサンプルリターンによって得られた微細片の分析にも用いられた、最新の分析技術が用いられ、鑑定が行われることになった。

 結果としては、この小片は「H5普通コンドライト」という種類の隕石であり、曽根隕石と全く同一のものである、ということが分かった。

 H5普通コンドライトは地球に降り注ぐ隕石の18%を占めるごく一般的な隕石であるので、八王子隕石と曽根隕石が同じタイプの隕石だった、という可能性はまだ残るが、いずれにせよ、これ以上のことは現状では謎のままである。(藤沢文太)

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