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霊長類で最大の群れを作るマンドリルの食生活と飢餓対策を解明
今回の研究で撮影されたマンドリルの大人のオス個体。(画像:京都大学発表資料より)[写真拡大]
マンドリルは、知られている霊長類の中では最も大きな群れを作る。その食生活の実際と、その食生活が食糧の少なくなる季節にどのように対応しているかについての研究を、京大などの研究グループが明らかにした。
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マンドリルは、オナガザル科マンドリル属に分類される霊長類である。アフリカ中西部の熱帯雨林に生息する。野生での生態には謎が多いが、霊長類の中では比較的おとなしい性質を持ち、また非常に大きな特徴として、数百匹からなる巨大な群れを形成することが知られている。観測された中で最大の例は845匹である。
マンドリルは大集団を形成する上、その群れは広大な行動圏を持つため、その遊動パターンの解明は、既存の、群れを追跡するという手法だけでは限界があった。そこで今回の研究では、カメラトラップと呼ばれる新しい研究手法が用いられた。現地、ガボンの研究者とも協力の上、2年連続でデータを収集することに成功したのである。
霊長類はたいてい、季節変動に合わせて採食や遊動を変化させる。理論的には、群れが大きくなればなるほど、その季節的対応は重要度を増すと考えられる。マンドリルの生息圏には雨季と乾季があり、3~8月には彼らの主食である果実は大幅に減少する。
それでマンドリルがどうしているのかを、研究する必要があったわけだが、何しろマンドリルは数が多く、数が多いから研究者が群れの個体個体に慣れるまで接近・観測を続けるというわけにいかない。そこで、ガボンのムカラバードゥドゥ国立公園に自動撮影装置カメラトラップを設置し、その映像を分析したというわけである。
結果として、3月から8月にかけてのマンドリルは、種子、木の根、地下茎などを食べることによって、食物のレパートリーを増やしているということが明らかになった。
研究の詳細は、Springer社の国際学術誌International Journal of Primatologyに掲載されている。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る)
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