NTTらが世界最大規模の量子コンピュータを開発 一般ユーザーも使用可に

2017年11月22日 05:59

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量子ニューラルネットワークの概念図(a)と、筐体に納めたQNN計算装置(b)。画像: NTTらの発表資料より)

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 NTTや国立情報学研究所らは20日、世界最大規模の量子コンピュータの開発に成功したと発表。一般のユーザーが体験できるよう、11月27日よりインターネット上で公開する。

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 これはスーパーコンピュータを含む現代コンピュータの限界を超える新技術で、その可能性についてはかねてより注目されてきた。海外では量子コンピュータの開発が進み、すでにアメリカのIBM、カナダのD-WAVEといった一部企業によって公開されている。

 今回日本から公開されるのは光の量子力学的な性質を活用した計算機「量子ニューラルネットワーク(QNN)」。長い光ファイバーの中に設置された位相感応増幅器と呼ばれる光増幅器などにより作動する。多種多様な組み合わせ最適化問題を瞬時に解くことができ、その能力はこれまでの30倍以上に拡大。

 病気の原因を抑える物質を膨大な数の中から探す創薬分野や、大規模化・複雑化するインターネット、無線通信、交通システムなどの最適化、効率化に大きく寄与する見込みだ。

 量子コンピュータは量子と呼ばれる極小の物質世界で発生する特殊な物理現象「量子の重ね合わせ」を用いたコンピュータ。従来のコンピュータと同じく信号で計算処理をするが、その方法は大きく異なる。

 既存コンピュータは半導体で「0」か「1」を表現し、その2つの信号を組み合わせたり切り替えたりして処理をする。それに対し、量子コンピュータは「0」と「1」が同時に存在した状態にて計算処理を行う。

 つまり、別々の状態であるはずの信号2つが重なり合った状態を利用して計算する、ということになる。これが「量子の重ね合わせ」を活用したコンピュータ、と言われる理由だ。

 現在「0」か「1」か、という情報1つを1ビット、そしてそれを基本の単位としてコンピュータは計算を行っているが、当然1ビットは0か1のどちらかになる。ただ量子コンピュータでは、いわば1ビットで0と1の両方を表現できるため、信号を切り替えることがない。

 その分、現行のシステムより遥かに速く複雑な計算ができる。量子力学を原理として作動する、次世代のコンピュータだといえる。

 なお、この成果は内閣府革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)の一環としてNTT、国立情報学研究所、東京大学の研究員らによって実施されたプロジェクトで得られた。(小椋恒示)

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