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住友化学、ヒアリ対策剤「エスティーム」を日本に導入
「Esteem」製品と散粒機による使用例(写真: 住友化学の発表資料より)[写真拡大]
住友化学は20日、国内関係機関によるヒアリの侵入および定着阻止の各種取り組みに役立てるために、同社の100%子会社であるベーラントU.S.Aが米国で販売するヒアリ対策剤「エスティーム」を日本に導入すると発表した。同製品は米国環境保護庁登録を取得している製品で、ヒアリの問題が顕在化したオーストラリア・ニュージーランド・台湾などの行政当局でも使用されている実績を持ち、高い評価を得ているという。
【発見の度に株価にも影響】
フマキラーが急反発、ヒアリ茨城県でも見つかり「国内での確認8例目」と伝えられる
「エスティーム」は専門業者向けの業務用商品で、適切な散布が必要となる。主に餌剤と有効成分ピリプロキシフェンから構成された粒剤で、ヒアリによって巣に運ばれ摂食された後、有効成分の作用によって女王アリの産卵や幼虫の成虫化を抑制する効果がある。同製品が使用された国では、処理後3~4週間で巣が衰退し、8週間後にはヒアリが駆除されたことが確認されている。一般販売などの詳細は不明だが、日本で導入されればヒアリの駆除に大きく貢献しそうだ。
ヒアリは6月に兵庫県で確認されてから、愛知・大阪・東京などの港を中心に確認されている。環境省自然環境局の公開資料によると南米中部原産のアリで現在では米国をはじめとする環太平洋諸国に定着しているという。毒性が強く、毒針で刺されると火傷のような激しい痛みを生じ、アレルギー反応が起こる場合もある。
6月13日に兵庫県尼崎市で国内初のヒアリが確認され、18日には神戸港、30日には名古屋港と発見地域が広がるにつれてヒアリに対する警戒が高まっている。フマキラーは7月10日に自社のアリ対策剤のヒアリへの効果試験を海外にて実施し、効果が確認されたことを発表した。ホームセンターなどにはフマキラーのほかアース製薬などのアリ用殺虫剤が目立つ場所に並ぶ地域も出ている。
環境省は、港湾地域やその周辺等で侵入が懸念される場合には、フィプロニルという成分を含む市販のアリ用殺虫餌の設置し、1カ月をめどで交換することが望ましいとしている。また国土交通省港湾局と協力し、ヒアリが運ばれたとされる中国南沙港からのコンテナ定期輸送が行われている22港において、追加的な調査と殺虫餌の設置などの予防的防除を行う。(記事:高橋珠実・記事一覧を見る)
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