新日鉄住金エンジニアリング、スウェーデンに廃棄物発電所を新設

2017年3月27日 07:00

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発電所完成予想図。(ⓒScheiwiller Svensson Arkitektkontor AB)

発電所完成予想図。(ⓒScheiwiller Svensson Arkitektkontor AB)[写真拡大]

 新日鉄住金エンジニアリングは、ドイツの小会社で廃棄物発電プラントを手掛けるSteinmuller Babcock Environment GmbH(以下、SBENG)社を通じ、スウェーデン王国において廃棄物発電所の新設工事を受注した。方式はストーカ炉式廃棄物発電施設であり、契約が締結済みである。

 ストーカ炉式廃棄物発電施設というのは、要は大規模なゴミ焼却炉であるのだが、その余熱を発電に回し、施設そのものの必要電力を自給するのみならず送電を行うこともできるために、発電施設の名で呼ばれているものである。

 今回の契約は入札方式であったが、それに伴う提案内容及び、SBENG社がスウェーデンほかの北欧諸国で成し遂げてきた多くの廃棄物発電施設の建設の実績、そして技術信頼性への評価があって初めて認められた契約であった、と新日鉄住金エンジニアリングは報告している。

 契約の詳細な内容は、ドイツに本社を置く欧州大手電力・ガス供給会社E.ON SE のスウェーデン法人であるE.ON Varme Sverige ABが、スウェーデンの首都ストックホルムの北西に位置するヘグビートルプにおいて計画している次世代エネルギーパーク事業の一環として熱電併給型の施設を新設し、地域暖房ネットワークの熱源とする、というもの。この施設は、ストックホルム北西地域の温熱需要の約80%を満たすことができるという。

 ところで、廃棄物発電所というのは原理は理解しやすいがあまり耳慣れた言葉ではないであろうと思われる。分類としては、バイオマス発電の一種という扱いをされているようだ。日本に今どれくらい存在するかというと、十を越える程度の数が建設されている。日本での廃棄物発電所の総発電量は、2012年、約227万世帯相当分だそうである。

 何であれ、日本の技術が海外に受け入れられ、活用されるのは結構なことだ。今後とも、インフラ分野におけるわが国の躍進を期待したいものである。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る

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