DeNAがキュレーションサイトの調査結果発表、2万記事以上に問題ありの推計

2017年3月14日 19:11

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記事提供元:スラド

 DeNAが運営する健康・医療関連キュレーションサイト「WELQ」で不適切なコンテンツが多数掲載されており、また他のメディアから盗用したと思われるコンテンツも多数存在した問題で(過去記事1過去記事2)、DeNAは13日、第三者委員会による調査報告書を公表した(DeNAのIRページ)。

 第三者委員会では、問題とされたキュレーションサイト10サイトで公開されている、DeNAが制作した記事37万6671記事から400記事をサンプリングして調査を行い、コンテンツの盗用などをチェックした。その結果、まず記事内のテキストについて著作権侵害と判断される可能性があると判断された記事は22記事(5.5%)だったという。これらのうち、11記事が外部記事の完全な「デッドコピー」であり、複製権・本案件侵害の可能性があると判断されたものが4記事、「可能性がないとはいえない」ものが7記事だった。DeNA制作記事のうち5.5%に問題があったと仮定すると、問題のある記事の総数は約2万記事以上にも上る。

 ただし、参照した外部記事についてはDeNAの記事と比較してどちらが先に公開されたものかは判断が難しいことから、逆にその外部記事がDeNAの記事をコピーしたものである可能性もある点も補足されている。また、「引用分析ツール」で一致文章のある記事が見つからなかったものは400記事中167記事だったという。

 画像については、記事内などで使われている画像472万4571個のうち、サイトを運用しているサーバー上に保存されており、かつその利用許諾が明確でないものは74万7643個だったという。

 第三者委員会は記事制作を行ったライターなどの「外部者」に対する調査も行っているが、回答数134件のうち、「コピペ推奨とは感じない」と回答したのは77件だったという。ただし、同社の運営するサイトによって回答の傾向は異なり、「WELQ」においては「コピペ推奨とは感じない」との回答は18件中4件だったと少なかった。サイトによってはコピペについて厳しい注意や指導があったという回答もある。

 WELQでもう1つ大きな問題となった、不適切な医療関連コンテンツについては、報道で取り上げられた19本のうち8本が薬機法に、1本が医療法に、1本が健康増進法に違反する可能性がある内容だったと分析。それ以外の記事でも問題がある可能性は否定できないとした。

 そのほか調査報告書では、自前で制作された記事が主であるにもかかわらず一般消費者が投稿できる「プラットフォーム」であることを協調していた点についても不適切と指摘されている。また、記事単価については「不当に安かったとは考えられない」としている。

 これを受けてDeNAはCEOの減給や、関係者に対し就業規則に基づく処分を行ったと発表。また、一部の取締役は辞任する模様。

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