スター・トレックのファンムービーめぐる裁判、両者が略式判決を請求

2016年11月24日 07:39

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記事提供元:スラド

スター・トレックのファンムービー「Star Trek: Axanar」をめぐる著作権侵害裁判の審理開始を前に、原告・被告両者が略式判決を請求している(原告側の請求文書: PDF被告側の請求文書: PDFTorrentFreakの記事Ars Technicaの記事)。

略式判決請求文書での両者の主張はこれまでと同様だが、ともにAxanar作品がフェアユースに該当するかどうかについて多くの分量を割いている。

原告のCBS StudiosとParamount Picturesは、Axanar作品(以降、Axanar)の目的が著作権保護されたスター・トレック作品(以降、スター・トレック)を複製することであり、フェアユースの判断で重視される変形的(transformative、新たな表現や意味、メッセージにより原著作物を変化させ、異なる用途や特質を与えるといったもの)利用には該当しないと指摘。スター・トレックがクリエイティブな作品であること、スター・トレックの要素をAxanarが相当量使用していること、Axanarの内容からスター・トレックの潜在市場に対する影響が大きいことなどを含め、フェアユースには該当しないと主張する。また、被告側が指摘する過去のファン作品と原告の良好な関係についても、著作権が侵害されたケースでは訴訟を起こしており、無意味な主張だと述べている。さらに、原告は市場の状況変化に応じて対応を変える可能性もあるとのこと。

一方、被告のAxanar ProductionsとAlec Peters氏は収益を目的としてAxanarを制作しているわけではないとし、Axanarがスター・トレックの代用になったり、競合したりすることもないと主張。Axanarは原告が描いたことのない時代を舞台とし、TVシリーズに1度登場しただけのガース船長を中心にストーリーが展開する。登場人物57人のうち50人はオリジナルのキャラクターで、スター・トレックの主要キャラクターは登場しないという。モキュメンタリーとして作られた短編がスター・トレックと異なるのは明らかであり、長編も同様の形式にする方向に傾いているとのこと。これらの点は変形的利用に該当し、スター・トレックの要素を相当量使用しているとはいえないなどと主張している。さらに、ファン作品の公表はスター・トレックの宣伝にもなっており、原告は損害を受けるどころか利益を得るとも述べている。

また、原告がスター・トレックのTVシリーズや映画の著作権を保有していても、スター・トレックというアイディアや、スター・トレックユニバースについて著作権を保有しているわけではないとも主張している。なお、Axanar Productionsでは組織を非営利団体にすべく準備を進めているそうだ。 スラドのコメントを読む | YROセクション | 映画 | スター・トレック | テレビ | 法廷 | YRO | スラッシュバック | 著作権

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