ドローンやロボの評価基準策定へ 安全性の確保と開発競争の加速に期待

2016年10月3日 08:35

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記事提供元:エコノミックニュース

政府が小型無人機「ドローン」や水中・陸上ロボットの評価基準を策定することがわかった。耐久性や走行距離などの項目別に性能を数段階で評価し、結果を公開する方針。17年度中に策定し、18年度以降の運用を目指す。

政府が小型無人機「ドローン」や水中・陸上ロボットの評価基準を策定することがわかった。耐久性や走行距離などの項目別に性能を数段階で評価し、結果を公開する方針。17年度中に策定し、18年度以降の運用を目指す。[写真拡大]

 政府が小型無人機「ドローン」や水中・陸上ロボットの評価基準を策定することがわかった。耐久性や走行距離などの項目別に性能を数段階で評価し、結果を公開する方針という。評価基準を参考に目的に合った製品を選べるようになり、開発競争を促す効果も期待できる。評価基準は17年度中に策定し、18年度以降の運用を目指す。

 肝心の基準の取り決めには、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)が中心となり、三菱重工業<7011>、パナソニック<6752>、富士通<6702>など10社と、大学などの有識者も参加する。

 評価の対象は、「橋やダムなどインフラ施設の保守点検」「トンネル崩落や土砂崩れなどの災害調査」「宅配など物流サービス」の分野で使われる機器。いずれも市場の拡大が期待されている分野であり、ドローンを用いた物流ビジネスは「空の産業革命」をもたらすとも言われている。高度なセンサーを搭載したロボットの開発が進んでおり、遠隔操作で動く陸上ロボット、水中からダムの壁面の状況を撮影できるロボットなどが続々発表されている。

 評価基準は「機体の安全性」「走行・飛行距離」「耐久性」「遠隔操作の技術力」「省エネ性能」などの複数の項目を設け、強風の中での飛行や浸水や障害物のある路上での走行など、過酷な環境下で性能を確認する際の方法も決定する。

 シード・プランニングが発表したドローンの市場動向に関する調査結果によると、ドローンの機体本体とドローンを用いたサービスビジネスの市場規模をあわせて推計した場合、2020年には15年度の約16.7倍にあたる634億円になり、24年には2270億円の市場になる見込み。サービスの分野別に見てみると、16年時点では農業用が5割超を締めているが、今後は整備・点検、測量などが拡大すると予測されている。

 性能を評価する基準がないとなると、安全性に問題を抱える機器が流通する恐れがある。爆発的な普及が予測される中、性能評価の策定は急務であり、今後の普及を左右するものとなるだろう。人の助けとなるはずのドローンやロボットが生活の安全を脅かす存在にならないことを願っている。(編集担当:久保田雄城)

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