神岡鉱山の地下に重力波望遠鏡「KAGRA」完成

2015年11月8日 18:27

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記事提供元:スラド

simon 曰く、 岐阜県飛騨市の神岡鉱山はニュートリノ観測施設「スーパーカミオカンデ」で知られるが、その同じ神岡鉱山跡地に大型低温重力波望遠鏡「KAGRA」が完成し、報道陣に公開された(プレスリリース毎日新聞の記事YOMIURI ONLINEの記事朝日新聞デジタルの記事)。

KAGRAは地下200m以深に掘った片腕3kmのL字型トンネルを利用する巨大なレーザー干渉計で、重力波の到来による2点間の距離の変化を検出する。今年度中に試験観測を開始し、2017年には本格観測を開始する予定だ。なおKAGRAとは「神岡」のKAと重力をイメージする「Gravity」や「Gravitational wave」のGRAを組み合わせたもの。

重力波は質量を持った物体が動いたときに発生すると考えられている空間の歪みであり、アインシュタインの一般相対性理論によって存在が予言されているがいまだに直接観測されたことはない。きわめて重い物体である中性子星が互いに廻りあう連星や、回転する赤色超巨星の超新星爆発などでは大きな重力波が発生すると考えられており、精度の高いKAGRAはそのような重力波を観測することを目的にしている(KAGRA - 重力波研究の歴史国立天文台ニュース - 重力波天文学が拓く宇宙: PDF)。

重力波望遠鏡は米国のLIGO(基線長4km)、イタリアのVIRGO(基線長3km)、ドイツのGEO600(基線長600m)、東京・国立天文台のTAMA300(基線長300m)などがあるが、KAGRAの観測精度はそれを上回るもので、本格観測から一年以内に重力波が観測できると期待されている。

1つの重力波望遠鏡では重力波の発生方向を特定できないが、LIGOとVIRGOは観測精度をKAGRAと同等に引き上げる改良を計画しており、これによって重力波の観測時刻の差により重力波の発生方向も観測可能になる。

なお、欧州宇宙機関(ESA)は宇宙空間に重力波天文台LISAを2034年に打ち上げ、基線長500万kmの超高精度観測を行う計画だ。

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