中国、2030年より前の有人月面着陸へ 2027~2029年の無人試験計画
中国は2030年より前の有人月面着陸を目標に、ロケット、月着陸船、有人宇宙船を段階的に検証する計画を示した。報道された試験日程では、2027年に地球低軌道で無人飛行を行い、2028年に月面での着陸・離陸、2029年に有人着陸に向けた総合リハーサルへ進む。
■2回の打ち上げで3人を月へ
2026年10月31日に北京で開幕した第7回有人宇宙学術大会で、中国有人宇宙計画の副主任設計師で月探査計画の主任設計師を兼ねる王翔氏が、有人月探査の計画を説明した。環球時報によると、最初の有人月探査には3人が参加し、このうち2人が月面へ降り立つ予定だ。
計画では、長征10号ロケットを2機使う。先に月着陸船「攬月」を月周回軌道へ送り、続いて3人が乗る有人宇宙船「夢舟」を打ち上げる。夢舟は月周回軌道で攬月と接近・合流するランデブーを行い、ドッキングする。
ドッキング後、2人が攬月へ乗り移って月面へ降下し、残る1人は夢舟で月を周回する。月面での活動を終えた2人は攬月の上昇機で離陸し、夢舟と再びドッキングする。3人は夢舟に乗って地球へ帰還する。
■地球低軌道から月面へ、無人で段階的に検証
中国中央テレビ(CCTV)によると、王氏は、月周回軌道で必要となる運用を可能な限り地球近くで先に試し、有人で実施する飛行を無人でも検証する方針を説明した。地球低軌道向けのロケットと夢舟による宇宙ステーション任務を通じ、ロケットの基本技術や宇宙船の再突入・帰還を確かめる考えだ。
Ars Technicaが大会の発表スライドを基に報じた日程では、2027年初めに長征10Aと夢舟を地球低軌道へ打ち上げ、無人試験を行う。長征10Aは側面の補助ロケットを持たない構成だ。中国が先に公表した夢舟1号の任務には、宇宙ステーション「天宮」へのドッキングと物資輸送、宇宙船全体の動作確認が含まれる。
同じ報道によると、2028年には月探査向けの長征10号で攬月を打ち上げ、無人で月面への着陸と離陸を試す。中国有人宇宙計画の公式資料では、長征10号は補助ロケットを含む3段半式とされている。この試験で月面への降下と上昇を検証する計画だ。
2029年には、夢舟と攬月を別々の長征10号で打ち上げ、月周回軌道で合流させる予定だ。SpacePolicyOnlineによると、この無人リハーサルはドッキングに加え、月面着陸まで含む一連の飛行を対象とする。CCTVが伝えた王氏の説明でも、着陸後の月面滞在、離陸、夢舟との再ドッキングまで、有人飛行に必要な主要技術を検証するとしている。
■月面では3日間の活動を想定
Gizmodoによると、最初の有人着陸では地球時間で3日間の月面滞在を想定し、毎日船外活動を行う計画だ。中国が公表している有人月探査の目的には、月面での科学調査や試料採取が含まれる。
月周回軌道に宇宙船を残し、着陸船が月面と軌道の間を往復する構成は、アポロ計画と共通する。アポロでは司令・機械船と月着陸船を1機のサターンVで一緒に打ち上げた。NASAの記録では、最後の月面着陸となったアポロ17号は月面に約75時間滞在し、3回の船外活動を行っており、中国が想定する滞在期間も約3日という点で近い。
地上では飛行試験に向けた準備も報じられている。SpaceNewsは、10月31日に中国のSNSへ投稿された、文昌で貨物船から大型コンテナを荷揚げする映像を取り上げた。同メディアは、有人月探査計画に使うロケットと宇宙船の初飛行試験向け機材が、文昌に到着した可能性があると報じている。
米国でもNASAがアルテミス計画による有人月面着陸を進めている。2026年11月時点で、NASAはアルテミス4による最初の月面着陸を2028年初めに目標設定している。乗員はオリオン宇宙船から商業月着陸船へ移り、月面へ向かう計画だ。
NASAによると、着陸船を開発するSpaceXとBlue Originはいずれも2028年の有人着陸への対応を目指している。アルテミス4で使用する着陸船は、各社の開発・試験の進捗を踏まえて決める方針だ。中国、米国とも、有人着陸に先立って機体と運用を検証する試験を進める。
元記事: China Unveils Plans For Moon Landing Mission Before 2030—Will It Carry Astronauts?
※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。
スポンサードリンク
