AI投資の回収に厳しい視線、Google Cloud103%増収もアルファベット株急落

2026年11月3日 11:08

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記事提供元:Tech Times

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米大手テクノロジー企業の2026年7〜9月期決算で、クラウド事業の成長とインフラ投資の負担が鮮明になった。マイクロソフトのAzureは前年同期比48%増収、グーグルのGoogle Cloudは103%増収となった一方、10月29〜30日の米株式市場ではアルファベット(Alphabet)やインテル(Intel)が急落した。投資家の関心は、需要の拡大に加え、巨額の設備投資を利益とキャッシュフローへ転換するまでの道筋に向かっている。

■Alphabet急落から広がったテック株売り

AP通信によると、10月29日のAlphabetクラスA株は12.6%下落し、2004年の上場以来最大の下落率を記録した。同日のナスダック総合指数は1.4%安の2万6184.72、S&P500種株価指数は0.3%安の7720.39で終了した。

Microsoft株は決算発表後の時間外取引で約5%上昇したと米CNBCが報じた。MarketScreenerの株価データでは、29日の通常取引は一時519.56ドルまで下げ、終値は前日比0.16%安の530.14ドルだった。30日の終値は1.55%安の521.91ドルとなった。

ロイターは29日の取引序盤、当時の下落が続けばナスダック100構成銘柄の時価総額が約6930億ドル減少すると報じた。30日午前の報道では、同指数構成銘柄の時価総額減少は、その日の取引で1兆ドル(約158兆円)を超える規模に達する見通しだった。

AP通信によると、30日はナスダック総合指数が2.9%安の2万5437、S&P500が1.8%安の7580.07で終了した。Yahoo Financeのデータでは、ナスダック100は3.46%安の2万8384.85。24/7 Wall St.によると、10月6日の最高終値からの下落率は終値ベースで約9.1%となった。

■Azureの48%成長とMicrosoftの増収増益

Microsoftが10月28日に発表した2027年度第1四半期決算は、売上高が前年同期比19%増の923億ドル(約14兆6000億円)だった。米国会計基準に基づく希薄化後1株利益は32%増の4.92ドル、OpenAIへの投資の影響を除く調整後1株利益は18%増の4.89ドルとなった。

Zacks Investment Researchによると、調整後1株利益は市場予想の4.71ドルを上回り、売上高も予想を上回った。Earnings Whispersが示した売上高の市場予想は約906億ドルだった。利益の比較では、調整後の実績と予想を対応させる必要がある。

Azureの売上高は331億6500万ドル(約5兆2400億円)で、報告ベース、為替変動の影響を除いたベースともに48%増加した。Benzingaが伝えたBNPパリバのアナリスト、ステファン・スロウィンスキー氏の分析では、会社見通しの44〜45%と、投資家側の約47%という予想を上回った。

Microsoft Cloudの売上高は30%増の639億ドル(約10兆1000億円)だった。同社は2027年度から事業区分を再編し、AzureやMicrosoft 365などを含む「Agents and Infra」部門の売上高を768億ドル(約12兆1000億円)と報告した。この部門は全社売上高の約83%を占める。

サティア・ナデラ会長兼CEOは発表文で、「技術スタック全体にわたり、より高い能力、選択肢、制御性、コスト効率を顧客に提供している」と述べた。エイミー・フッドCFOも、売上高、営業利益、1株利益が同社の予想を上回ったと説明した。

■設備投資は452億ドル(約7兆1400億円)、通年見通しは1700億ドル

Microsoftによると、7〜9月期の設備投資総額は452億ドル(約7兆1400億円)で、このうち有形固定資産への現金支出は394億ドル(約6兆2300億円)だった。現金支出は前年同期の194億ドル(約3兆700億円)からほぼ倍増した。営業キャッシュフローは580億ドル(約9兆1600億円)、設備投資の現金支出を差し引いたフリーキャッシュフローは186億ドル(約2兆9400億円)の黒字となった。

同社は10〜12月期の設備投資を500億ドル超と見込む。一方、2026年暦年の設備投資見通しは約1700億ドルとし、第三者から調達する計算資源の供給遅延を理由に挙げた。2027年度後半には、CPUやGPUへの投資と、後ろ倒しとなった供給分によって設備投資が加速する見通しだ。

10〜12月期の全社売上高見通しは960億〜971億ドル(約15兆2000億~15兆3000億円)、Azureの為替一定ベースの増収率見通しは49〜50%である。同社は顧客需要が利用可能な供給能力を上回っていると説明し、2027年度もフリーキャッシュフローの黒字を維持する方針を示した。

企業向けの残存履行義務は73%増の6770億ドル(約107兆円)だった。これは契約済みで今後売上高に計上する金額を示し、加重平均の残存期間は2.3年である。同社は約30%を今後12カ月以内に売上高として認識する見込みで、受注残の規模と収益化の時期を併せて示している。

■Google Cloudは倍増、Alphabet全体では資金流出

Alphabetが10月28日に発表した第3四半期決算は、売上高が25%増の1276億ドル(約20兆2000億円)、1株利益は2.12ドルだった。AP通信によると、FactSet集計の市場予想は売上高1279億7000万ドル(約20兆2000億円)、1株利益約3.01ドルで、いずれも実績が下回った。

同社の開示では、株式投資の損益は約87億ドルの損失となった。主な要因は、保有する上場SpaceX株の株価下落に伴う未実現損失である。営業利益は30%増の406億ドル(約6兆4100億円)だったが、投資評価損などが純利益と1株利益を押し下げた。

Google Cloudの売上高は103%増の307億ドル(約4兆8500億円)だった。同社によると、企業向けAIインフラ、AIソリューション、基幹クラウドサービスが成長を支え、独自AI半導体を搭載したTPUシステムの販売も寄与した。部門営業利益は111億ドル(約1兆7500億円)と前年同期の3倍超になり、営業利益率は23.7%から36.2%へ上昇した。

Alphabet全体の営業キャッシュフローは423億ドル(約6兆6800億円)、設備投資は514億ドル(約8兆1200億円)で、フリーキャッシュフローは91億ドル(約1兆4400億円)の赤字だった。4〜6月期の59億ドル(約9320億円)に続く2四半期連続の赤字である。同社は、設備投資に加え、TPU販売に備えた在庫積み増しと、欧州委員会の制裁金52億ドル(約8220億円)の支払いも資金収支に影響したと説明した。

■Intelの見通し悪化、半導体株にも売り

Intelは10月29日に発表した決算で、第4四半期の売上高を150億〜160億ドル(約2兆3700億~2兆5300億円)と予測した。第3四半期の売上高165億ドル(約2兆6100億円)から減収となる見通しだ。ロイターによると、PC市場の弱さ、製造面の課題、生産拡大投資を背景に、同社は通年の資金流出を見込んだ。

AP通信によると、翌30日のIntel株は28.6%下落し、1974年以来の大幅安となった。Tom's Hardwareは時価総額の減少を約1500億ドルと報じた。同社の決算資料では、2026年1〜9月期の連結最終損失は116億900万ドル(約1兆8300億円)だった。

売りは他の半導体株にも広がった。Yahoo Financeのデータでは、30日のAMD株は10.88%下落した。Quiver Quantitativeの終値データから計算すると、Broadcom株は5.48%安だった。

同じ30日、Appleは時価総額で世界首位に返り咲いた。Investing.comによると、Appleの時価総額は5兆300億ドル(約795兆円)で、4.2%下落したNvidiaの4兆9300億ドル(約779兆円)を上回った。

■大手4社で四半期約2000億ドルの設備取得

Amazon、Alphabet、Microsoft、Metaの開示を合計すると、7〜9月期の有形固定資産取得への現金支出は約2000億ドルとなる。前年同期の合計のおよそ2倍で、クラウドやAIサービスの供給能力を拡張する投資の大きさが表れている。

Amazonは2026年の現金設備投資見通しを約2200億ドルに据え置いた。Alphabetの通年見通しは1950億〜2050億ドル(約30兆8000億~32兆4000億円)、Metaはファイナンスリースの元本支払いを含め1350億〜1450億ドル(約21兆3000億~22兆9000億円)である。各社の見通しは対象範囲や会計上の定義を伴うため、それぞれの開示に沿って読む必要がある。

Nvidiaは8月の決算説明会で、大手ハイパースケーラー5社の2026年設備投資が約8000億ドルに達するとの見方を示していた。AI向けクラウド専業企業にも投資は広がり、CoreWeaveは8月の決算説明会で、2026年の設備投資見通しを350億〜390億ドル(約5兆5300億~6兆1600億円)へ引き上げた。

AWSの7〜9月期売上高も前年同期比39%増加した。一方、Amazonの開示では、過去12カ月間のフリーキャッシュフローは424億ドル(約6兆7000億円)の赤字となった。同社は、AIを中心とする設備投資の増加が主な要因だとしている。

■社債と株式で広がる資金調達

Microsoftは10月29日、250億ドル(約3兆9500億円)の社債の発行条件を決定した。Bloombergによると、注文は最大1150億ドル(約18兆2000億円)に達し、発行額の4.6倍となった。米国投資適格債市場への復帰は2017年以来で、設備投資など一般的な企業目的に資金を充てる予定だ。

Alphabetも株式を通じた資金調達を進めている。公式開示によると、6月の普通株式公募による手取り額は205億ドル(約3兆2400億円)、Berkshire Hathawayの関連会社への私募は100億ドル(約1兆5800億円)だった。さらに、強制転換型優先株に関係する預託株式の発行で190億ドル(約3兆円)の手取り資金を得た。

これとは別に、Alphabetは最大400億ドル(約6兆3200億円)の普通株式を市場で随時売却できるATMプログラムを6月に設定した。7〜9月期の売却による手取り額は124億ドル(約1兆9600億円)で、9月末の未使用枠は276億ドル(約4兆3600億円)だった。同社は、このプログラムの資金を主に従業員への株式報酬に伴う納税義務への対応に充てるとしている。

Metaは、当初950億ドル(約15兆円)としていた株式などによる調達計画を最大975億ドル(約15兆4000億円)へ拡大したと、ロイターが10月27日に報じた。新株発行は設備投資の資金を確保する一方、既存株主にとっては持ち分の希薄化を伴う。借入による利払いと株式発行による希薄化の双方が、投資拡大を評価する際の論点となっている。

■電力設備と金利も投資採算を左右

高密度のAI設備は、電力供給や冷却設備への投資も必要とする。SiliconANGLEによると、CoreWeaveがインフラ戦略の一部に位置付けるVera Rubinのラックは、1台当たり最大250キロワットに達する。こうした設備への対応では、専用施設や液冷技術の重要性が高まる。

エネルギー市場では原油高が続いていた。タイのThe Nationによると、WTI原油先物は10月30日のアジア早朝取引で0.8%上昇し、1バレル102.81ドル(約1万6200円)となった。Bloombergは、Shellのワエル・サワンCEOが29日、世界の在庫減少を理由に、高い原油価格の長期化を示唆したと報じた。

金融政策では、米連邦準備制度理事会が10月28日に政策金利の誘導目標を3.75〜4.00%に据え置き、日本銀行も30日に短期金利の誘導目標を1.25%程度で維持した。設備投資を借入で賄う企業にとって、金利は資金調達費を左右する。将来利益への期待が大きい成長株では、その利益を現在価値に換算する際の金利水準も株価評価の重要な要素になる。

■次の焦点は成長と現金創出の両立

Benzingaによると、Jefferiesのアナリスト、ブレント・ティル氏は、AzureとMicrosoft 365の成長加速、残存履行義務の拡大、予想を下回った設備投資を前向きに評価した。同時に、継続的なインフラ投資と成長、収益性のバランスが今後の課題だと指摘した。

ロイターが伝えたThe Motley Foolのテックアナリスト、アンダース・バイランド氏の見方も、AIによる恩恵が何年も持続することを株価評価の前提に置くものだ。将来利益が弱まれば、投資家がAlphabetなどの評価倍率を見直す可能性があるとした。

今後の決算で焦点となるのは、クラウドの売上成長に加え、設備増強に伴う現金支出と、その設備から得られる収益の推移だ。契約残高が売上高へ転換する時期、設備の稼働率、減価償却費、資金調達費は、投資回収の道筋を読む手掛かりとなる。Microsoftの10〜12月期決算でも、Azureの成長とフリーキャッシュフローを併せて見ることが重要になる。

元記事: Tech Stocks Lost $1 Trillion After Azure’s 48% Met Expectations, Not Beat Them

※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。

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