STEPX Neoが中国で発売、AIエージェント向けOSとMCP連携の実像

2026年10月17日 12:54

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記事提供元:Tech Times

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中国のStepFunが展開する端末ブランドSTEPXは、AIエージェント向けスマートフォン「STEPX Neo先行版」を2026年10月13日に発表し、同月16日に中国で販売を始めた。価格は3999元(約9万4400円)。独自のOS「Step AOS 1.0」と個人向けエージェント「階躍Amoo」を組み合わせ、利用者の依頼に応じて複数の機能やサービスを使う設計が特徴だ。

■エージェントを組み込んだStep AOS

StepFunは2026年7月、STEPXブランドとStep AOS、Amooを発表し、STEPX Neoの実機を披露した。10月発売の先行版では、モデル、OS、開発ツール、端末を組み合わせて提供する。画面の操作を一つずつ利用者に求める代わりに、エージェントが依頼を分解し、必要な機能を呼び出す構想だ。

StepFunの説明では、Step AOSはAndroid、Linux、リアルタイムOSの構成要素を活用して端末の機能を整理し、通信、アプリ、ファイル、システムの機能を組み合わせて使えるようにする。Amooは端末側のStep Edgeモデルとクラウド側のモデルを使い分け、利用者の好みを記憶しながら作業を進める。端末の機能をエージェントが直接利用する点を、同社は従来のAI機能との差として打ち出している。

音声などを受け付ける操作画面に加え、Step AOSは利用者に関する記憶とエージェントの作業上の記憶を分けて扱うという。複数の手順を続けて実行する機能も備え、作業の状態を画面に表示する。決済やデータの変更を伴う操作では、どの段階で利用者の承認を求めるかが使い勝手と安全性の両方に関わる。

■MCPと提携サービスで作業をつなぐ

Model Context Protocol(MCP)は、AIシステムが外部のツールやデータに接続するための共通仕様で、Anthropicが公開した。STEPX NeoはMCPやエージェント間通信の仕組みを使い、端末機能と提携先のサービスをAmooの作業に取り込む。MCPは接続方法を定める仕様であり、利用できる機能や権限は接続先と実装によって決まる。

StepFunは、支付宝(Alipay)の生活関連サービス300以上に加え、滴滴出行、携程旅行、美団、高徳地図、動画編集アプリ「剪映」などと連携すると説明している。例えば利用者が移動を頼むと、Amooが依頼を整理し、提携先の予約や配車機能につなぐ。決済を含むサービスでは、利用者の承認も作業の一部となる。

同社が掲げる「H2A2A」は、人から端末上の主担当エージェントへ依頼し、さらに提携先の専門エージェントへつなぐ協業の考え方だ。開発者向けの「Step Studio」では、アプリ、エージェント、Skillを制作・試用し、STEPX Neoで動かせる。提携先と開発者が機能を増やせるかが、端末でこなせる作業の幅を左右する。

■端末の仕様と購入特典

STEPX Neo先行版は16GBのメモリと256GBのストレージを備え、Snapdragon 8シリーズのチップを搭載する。背面のMini LEDドットマトリクス画面はエージェントの状態を表示する。6基のマイク、低消費電力の音声処理チップ、音声入力用のボタンも備え、黒系と銀系の2色が用意された。

価格の3999元(約9万4400円)には端末に加え、Step AOS、Step Studio、Stepシリーズのモデル利用が含まれる。購入者向けの「STEPX Token Plan」は、12カ月にわたり毎月100億トークンの利用枠を設ける内容だ。利用者が条件となるアプリ内の課題を達成した場合、先着1万人に、今後5年間に発売されるSTEPX端末への交換特典「星辰船票」が用意される。

中国の発売報道で確認できる販売条件は中国市場向けのものだ。日本向けの正式な発売日、価格、通信サービスへの対応は確認できていない。提携サービスも中国の生活・決済アプリを中心としており、日本での利用を考える際は、使いたいサービスへの対応と購入後のモデル利用条件が重要になる。

■MCP連携で確認したい安全設計

エージェントが通信、ファイル、外部サービスを横断して扱う場合、接続先ごとの権限と利用者の承認方法が重要だ。米国家安全保障局(NSA)のAI Security Centerは2026年5月、MCPを使うシステムについて、信頼境界、アクセス制御、記録、データの扱いに注意を促す設計指針を公表した。Cloud Security Allianceも、ツールの説明文に悪意ある指示を紛れ込ませる「ツールポイズニング」を取り上げている。

ツールポイズニングは、エージェントが参照する外部ツールの説明に指示を埋め込み、想定外の操作へ誘導する攻撃だ。複数サービスを扱う端末では、接続するツールの信頼性、権限を必要な範囲に限る仕組み、操作履歴の確認手段が購入後の利用にも関わる。NSAの指針はMCPを利用するシステム一般を対象としており、STEPX Neo固有の検査結果ではない。

StepFunは、位置情報やカメラの扱いに利用者の許可を求めることなどを安全設計として説明している。端末上の処理とクラウド側の処理を使い分けるため、どの情報が端末外へ送られるかも利用者にとって大切な確認点となる。現時点で公表された製品情報からは、個々の提携機能やコミュニティー製ツールに与えられる権限を一律には判断できない。

■先行するAIスマホとの競争

STEPX Neoは2026年7月の世界人工知能大会(WAIC)で展示され、「鎮館之宝」に選ばれた。中国の「人工知能端末智能化分級」に関するL3級の試験も通過したと報じられている。こうした評価は端末の機能に関するもので、個別の接続先やデータ処理の安全性を示す検査とは対象が異なる。

AIエージェントを組み込んだ端末の競争は、STEPX Neoの発売前から進んでいた。中興通訊傘下の努比亜は「NaviX Ultra」を2026年9月16日に発売し、豆包のスマートフォン助手によるアプリ横断の作業を訴求した。HONORも、システムレベルのAIエージェントと可動式カメラを備える「Robot Phone」を同年8月に中国で発売している。

StepFunの端末側モデル「Step Edge」について、同社は29項目の評価指標での優位性を掲げている。公開資料には比較表もあるが、他社モデルの数値には同社による内部評価が含まれる。STEPX Neoの特徴を見極めるには、対応する作業の範囲に加え、実際の操作手順や承認の分かりやすさを見る必要がある。

■運営企業と利用条件

StepFunは上海を拠点とするAI企業で、会長の印奇は顔認識技術を手がける曠視科技(Megvii)の共同創業者でもある。中国の国家情報法は、組織と国民に国家情報活動への法に基づく協力を求めている。端末を選ぶ際には、StepFunが示すデータ処理の説明とともに、利用する地域の制度やサービス条件を確認することになる。

STEPX Neoは、エージェントが依頼を受け、端末機能と提携先のサービスを組み合わせる使い方を前面に出した製品だ。中国では端末の販売と12カ月のトークン特典が始まっている。今後は提携先の拡充に加え、利用者が権限と作業内容を把握できる設計や、特典期間後の利用条件が継続的な評価の対象となる。

元記事: STEPX Neo Review: StepFun Ships First Agent Phone With MCP Core Under China’s Intelligence Law

※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。

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