『G.I.ジョー』新作でデューク役にブラッドリー・クーパー 架空の町を現実の研究から読み解く

2026年10月4日 13:35

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記事提供元:Tech Times

パラマウント・ピクチャーズが進める新作『G.I.ジョー』で、ブラッドリー・クーパーがデュークを演じる。監督・共同脚本のダニー・マクブライドは、コブラが潜む架空の町スプリングフィールドを舞台に、ジョーたちを追う物語だと説明している。撮影は2027年を目指しており、公開日は発表されていない。

■新作が向かうスプリングフィールド

マクブライドは『ジェムストーン家の敬虔なる私生活』で組んだジェフ・フラドリー、ジョン・カルシエリと脚本を執筆した。ハズブロは2026年7月、マクブライドの監督起用と脚本執筆を発表している。クーパーのデューク役は10月に報じられた。

マクブライドはポッドキャスト「Happy Sad Confused」で、作品をコメディーではなくサスペンスとアクションとして構想していると語った。デュークとジョーの一団が向かうスプリングフィールドについては、コミックに登場する、町全体にコブラが潜む場所だと紹介している。

『トランスフォーマー/ビースト覚醒』の終盤では両シリーズの合流が示唆された。映画業界誌The Hollywood Reporterによると、今回の『G.I.ジョー』は、計画されていた『トランスフォーマー』とのクロスオーバー作品から切り離して製作される。新作の詳しい筋書きや、クーパー以外の出演者は明らかになっていない。

■コミックが描いた、日常に紛れるコブラ

スプリングフィールドは、ラリー・ハマが手掛けたコミック『G.I. Joe: A Real American Hero』第10号に登場する。ジョーたちが目にするのは、外見上は普通の米国の町だが、その日常の背後でコブラが活動している。敵の拠点を一目で見分けられないことが、この設定の緊張を生む。

ハマはベトナム戦争に従軍した経験を持ち、1982年に始まったコミックで軍人の人物像や作戦を描いてきた。シリーズはその後も続き、ハマが執筆した第330号は2026年7月8日に刊行された。マクブライドが舞台として挙げた町は、そうしたコミックの長い歴史につながっている。

1985年のアニメ「There's No Place Like Springfield」も、普通の暮らしに見える光景を利用したコブラの策略を描いた。標的となるシップレックは、家族と過ごす生活を与えられたように思い込む。コミックの町とアニメの物語は展開が異なるが、親しみやすい日常の外観がサスペンスを支える点で響き合う。

■自治体への浸透を考える手掛かり

スプリングフィールドの設定を考える補助線として、組織が表向きの制度を通じて影響力を広げる研究がある。ジョージア州立大学のクラーク・デマシは2024年の学位論文で、犯罪組織が商業活動を足場に自治体政府へ浸透する「市民的捕捉」を論じた。町の外観と、その内側で働く力を分けて見る発想につながる。

イタリアでも、マフィアによる地方行政への浸透を理由に自治体の議会を解散する制度が運用されてきた。イタリア内務省が2015年に示した集計では、1991年の制度導入以降、シチリア州の63自治体で解散措置が取られた。実際の行政への浸透を扱う資料として、架空の町を読み解く手掛かりになる。

社会学者アーヴィング・ゴフマンの「全制的施設」は、刑務所や精神病院のように、外部社会から隔てられた人々の生活を包括的に管理する場を指す。スプリングフィールドのように普通の社会の中にある町へ、その定義をそのまま当てはめることはできない。一方、暮らしの中で人の行動を左右する仕組みに目を向ける視点は、この町の不気味さを考える助けになる。

■オンラインの偽装と、記憶を使う物語

オンライン空間にも、独立した利用者の会話を装って活動する組織的な情報工作がある。Metaはこれを「協調的な偽装行為」と呼び、偽アカウントなどを使ったネットワークへの対処を公表している。Metaの2024年の選挙に関する報告も、発信者の身元や連携を隠す工作を取り上げた。

こうした工作とスプリングフィールドに共通するのは、見えている発信者や町の姿と、その背後にある組織の関係を物語の焦点にできる点だ。画面上の投稿と現実の自治体は異なる場だが、「誰がこの日常を形作っているのか」という問いは、映画の舞台を考える手掛かりになる。

アニメが描いたシップレックの家庭生活は、記憶や経験への信頼を揺さぶる演出でもある。記憶の再固定化に関する研究では、想起をきっかけに記憶が変化し得る条件が調べられている。東京大学などの日本語資料で使われる学術用語は「再固定化」だ。作品では、その科学的な関心を、親しい人や暮らしを疑うサスペンスのイメージに重ねられる。

■過去の映画に登場したナノマイト

2009年公開の日本題『G.I.ジョー』には、エッフェル塔を侵食する微小な機械「ナノマイト」が登場した。興行情報サイトThe Numbersによると、同作の世界興行収入は約3億247万ドル、1ドル=158円で換算すると約478億円だ。目に見えない技術が巨大な構造物を崩す場面は、作品を象徴する見せ場となった。

現実のナノテクノロジーは、おおむね1~100ナノメートルの尺度で物質を扱う研究分野だ。米国の国家ナノテクノロジー・イニシアチブは、薬物を届けるナノ粒子や電子材料などへの応用を紹介している。劇中のナノマイトには、微小なものが物質や身体に働きかけるという発想を重ねられる。

神経への働きかけを連想させる研究もある。マサチューセッツ工科大学などの研究チームは2024年、直径約250ナノメートルの磁気電気ナノディスクをマウスの脳へ注入し、外部の磁場を使って報酬や運動に関わる神経回路を刺激したと報告した。外部からの入力を粒子が神経への刺激に変えるという情報処理の構造が、作品設定を考える補助線になる。

■強化スーツから見る、もう一つの技術表現

2009年の映画でデュークとリップコードが装着したアクセラレーター・スーツは、走行や跳躍を助ける強化外骨格として描かれた。パリの追跡場面では、装着者の動きを大きく変える道具がアクションの中心となる。使用者の動作を読み取り、機器の力へ変えるという発想は、現実の外骨格研究にも通じる。

米特殊作戦軍は2013年、外骨格、防護装備、情報表示などを組み合わせる「TALOS」の開発に着手した。Military.comが伝えた米特殊作戦軍の説明によると、2019年時点の試作スーツは近接戦闘での運用に適さず、各技術は個別の用途に向けて開発が続けられた。装備を一体として動かす難しさも、この取り組みで示された。

一方、荷物を運ぶ際に足の動きを助ける外骨格や、布とケーブルを使ったソフトスーツでは、歩行時の負担を減らす成果が論文で報告されている。映画のスーツと研究中の機器を並べると、同じ「身体を補助する道具」でも、どの動作を助けるかによって設計が変わることが見えてくる。

スプリングフィールドを舞台に選んだ新作では、町の住人や日常をどう描くかが、ジョーたちの行動に意味を与える。マクブライドの語るサスペンスとアクションが、ハマの作った町を映像でどう生かすのか注目される。

元記事: Danny McBride’s G.I. Joe Reboot Centers on Springfield: Academics Confirm It

※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。

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