警察庁と日本マイクロソフトがサイバー事案対策で協定、脅威情報共有と次世代教育で連携

2026年9月10日 13:36

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記事提供元:Tech Times

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警察庁サイバー警察局と日本マイクロソフトは9月7日、「官民連携によるサイバー事案対策の推進に関する協定」を締結した。サイバー事案の未然防止や被害拡大の防止、捜査に役立つ情報の共有に加え、子どもや若者を対象とした教育・啓発活動で継続的に協力する。

協定の有効期間は2027年9月6日までで、期間満了の1カ月前までに変更または解除の申し出がなければ、同じ内容で1年間更新される。具体的な取り組みの内容や実施体制、実施方法については、両者が協議したうえで別途定める。

■サイバー事案の未然防止や捜査に役立つ情報を共有

協定では、警察庁と日本マイクロソフトが連携する事項として、サイバー事案の未然防止、被害拡大の防止、捜査に資する情報の共有を挙げている。両者が必要と認める場合には、関係機関や自治体、教育機関、民間企業などとの連携にも努める。

日本マイクロソフトは、世界各地の法執行機関との協力や、同社のデジタル犯罪対策部門「Digital Crimes Unit(DCU)」の活動を通じて得た知見と脅威情報を生かすとしている。もっとも、協定には共有するデータの種類や提供頻度、警察庁が利用する具体的なシステムなどは記載されていない。実際の情報共有の範囲や運用方法は、今後の個別の合意によって決まる。

協定に関連して相手方から秘密であることを明示して開示された情報については、目的外の利用や第三者への開示を原則として禁止する。取り組みに必要な費用は、別途の合意がない限り、それぞれが負担する。

■日本の高齢者を狙ったサポート詐欺の摘発を支援

警察庁とMicrosoftの協力は今回が初めてではない。2025年には、日本の高齢者を狙ったテクニカルサポート詐欺を巡り、MicrosoftのDCUが日本サイバー犯罪対策センター(JC3)と連携して情報を分析し、警察庁とインド中央捜査局による捜査を支援した。

インド中央捜査局は同年5月、インド国内の19カ所を一斉に捜索し、6人を逮捕するとともに、詐欺に使われていたコールセンター2カ所を閉鎖した。詐欺グループはMicrosoftを装う警告画面を表示し、利用者に偽のサポート窓口へ電話をかけさせていた。

JC3から提供された不審なポップアップなどの識別情報は、Microsoft Threat Intelligence Centerで分析された。Microsoftによると、他の脅威情報やシグナルデータと組み合わせた分析により、世界で約6万6000件の悪質なドメインやURLの特定と無効化につながったという。

分析では、コールセンターだけでなく、ポップアップの作成者、検索エンジン最適化を担う業者、見込み客の獲得業者、決済代行業者、人材供給者など、詐欺を支える広範なネットワークも調査対象となった。生成AIが、悪質なポップアップの作成や日本語を含む多言語対応などに利用されていたことも確認されたとしている。

■Minecraft Educationを教育・啓発活動に活用

協定のもう一つの柱が、次世代を対象としたサイバー事案対策の教育と啓発である。日本マイクロソフトは、小中高校生を対象とする「サイバー防犯ボランティア」などの活動に、Minecraft Educationの教材を提供する。

教材は、サイバー空間におけるセキュリティ知識を学ぶためのトレーニングに活用される予定だ。ゲーム形式の教材を通じ、児童生徒がインターネット上の危険や基本的な安全対策について実践的に学べるよう支援する。

警察庁のサイバー防犯ボランティアは、学校や地域における教育・啓発、違法・有害情報の通報、広報活動などに取り組む制度である。今回の協力により、既存の活動にMicrosoftの教材や知見が加わることになる。

■協定は2027年9月まで、その後は自動更新

協定の有効期間は締結日から2027年9月6日までとなっている。警察庁または日本マイクロソフトから、期間満了の1カ月前までに内容の変更や解除の申し出がなければ、同じ内容で1年間更新され、その後も同様に更新される。

一方で、協定は日本マイクロソフトが提供する技術的知見や支援の正確性を保証するものではなく、それによって警察庁に損害が生じた場合の責任も原則として負わないと定めている。したがって、警察庁が特定の脅威情報を定期的に受け取る権利や、Microsoftが一定の情報を必ず提供する義務まで設定した契約ではない。

今回の協定は、警察庁と日本マイクロソフトが、情報共有と教育・啓発を継続的に進めるための基本的な枠組みを整えたものと位置付けられる。具体的な情報共有の対象や提供方法、取り組みの規模については、今後、両者が個別に合意していく。

■能動的サイバー防御に向け官民連携が進展

日本では、2025年にサイバー対処能力強化法とその整備法が成立した。関連制度は段階的に施行され、官民連携の強化や通信情報の利用、重大なサイバー攻撃に使われるサーバーなどへのアクセス・無害化措置に必要な枠組みが整備される。

アクセス・無害化措置などに関する主要な規定は2026年10月1日に施行される。今回の協定はこの法律に基づいて締結されたものとは明記されていないが、サイバー脅威への対応で官民の情報共有を強化するという、日本のサイバー安全保障政策の方向性と重なる。

Microsoftは2026年4月、2026年から2029年までに日本へ100億ドル、同社発表時の換算で約1兆6000億円を投資する計画を発表した。「技術」「信頼」「人材」を3本柱とし、「信頼」の取り組みでは、警察庁との連携を深め、サイバー犯罪への対処と日本のサイバーレジリエンス向上を支援する方針を示していた。

元記事: Microsoft Embeds Cybercrime Unit in Japan’s Police Network Before October Cyber Law

※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。

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