被爆者や利用者家族小中学生など50人が交流 新宿と武蔵野つなぎ耳傾けた被爆の実相〔東京〕
配信日時: 2026-07-15 14:00:27
次世代に継承し祈る核兵器のない世界
生活協同組合パルシステム東京(本部:新宿区大久保、理事長:西村陽子)は7月11日(土)、本部会議室と武蔵野プレイス(東京都武蔵野市)をオンラインでつなぎ、被爆体験の証言を聞くイベントを開催しました。両会場の参加者50人が、平和の願いを込めたマスコット「せんそうほうき」を作りながら、被爆者の話を聞き交流しました。
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▲新宿会場の参加者
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▲武蔵野会場の参加者
子どもたちと聞く核の現状
イベントは、平和を学ぶフィールドワーク「ピースアクションinヒロシマ・ナガサキ」の事前学習会として開催しました。参加する小中学生と利用者家族や配送拠点で「平和担当」を務める職員など50人が2つの会場に集い、核兵器のない世界を願う被爆者たちのメッセージに耳を傾けました。
冒頭は2会場を中継し、ニューヨーク国連本部で開催された核不拡散条約(NPT)再検討会議に合わせ4月末に派遣された、日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)と全国生協による代表団の活動が報告されました。NPTは、核を持たない国が新しく保有しない「不拡散」、保有する国が数を減らす「核軍縮」、「原子力の平和的利用」の3つを守る国同士の約束であることを会場の子どもたちに説明しました。
参加した政策・環境推進部福島崇部長は、核兵器廃絶への願いを寄せ書きしたピースフラッグを掲げた市内でのパレードに対し、沿道の人たちが手を振り写真を撮るなど関心を寄せていたことを報告しました。「アメリカは核を無くせない」という大学生との被爆証言の意見交換では「核爆弾を落としたアメリカを恨んでいますか」との問いかけに対し「報復の連鎖で核兵器は無くならないので恨んでいません」との言葉が響いていた様子だったと伝えました。
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▲利用者の平和への願いを寄せ書きしたピースフラッグ
核軍縮と不拡散に向け話し合った会議は、各国の対立により最終文書が不採択となりました。核保有国との分断が懸念される中、世界から核を無くすには対話と協調が必要で、広島と長崎の原爆投下の実相を次世代に伝え、核兵器は必要ないと訴え続けていくことの重要性を感じたと語りました。
語り継ぐ被爆者の記憶
一般社団法人東友会(東京都文京区、家島昌志代表理事)の相談員を務める村田未知子さんは、被爆者に寄り添って来た団体の活動を紹介しました。被爆者手帳を取得した37万人は、毎年8千人が亡くなり現在は1/4以下の9万人にまで減少し、平均年齢は86歳を超えている現状を説明しました。東友会の被爆者も、当時は乳幼児で正確な被爆の記憶がなく、親族の手記や証言を語り継ぐ人が多くいます。
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▲東友会の活動を紹介する村田さん
村田さんは、相談支援の活動で出会った被爆者、織田アヤさんの話を紹介しました。織田さんは25歳の時、広島の爆心地から1.3kmの地点で被爆しました。翌日になっても帰宅しない母親を隣町に探し歩くと寺にたどり着き、亡くなったことを知らされました。境内では人間とは思えない姿になった人たちが、木枠に積み上げられ油をかけて焼かれていたそうです。泣きながら見ていることしかできなかった織田さんは、ブリキの空き缶に誰だかわからない骨を入れて帰ったそうです。
当時結婚が決まっていた人はビルマで戦死してしまい、織田さんは独りぼっちになりました。東京に来て料亭の仲居の仕事をしていましたが、店からは被爆者だと隠すよう言われ働いていたそうです。晩年はリウマチになり、痛みを我慢し眠っていると原爆の夢を見ると言い、最後は食事もとれなくなり老人ホームで亡くなりました。
村田さんは「私を独りぼっちにしないで」と訴えていた織田さんを身寄りのない「原爆被害者の墓」に移そうと働きかけ、新聞記事になったことで資金が集まり、織田さんの名前を墓に刻むことができたと紹介しました。「織田さんに約束した『核兵器で苦しむ人を出さない』ことは、みんなの力を合わせて世界中の人に呼びかけていかなければ実現できない仕事です」と村田さんは子どもたちに語り掛けます。
「一人ひとりの被爆者の話を聞き、皆さんの胸に留めてください。資料館を見て、本を読み、被爆者と手をつないで欲しいです。人類が核兵器で自滅することが無いように戦争のない世界に向けて一緒に頑張りましょう」と呼びかけ、中継を締めくくりました。
被爆証言と「せんそうほうき」作りで交流
中継後は、東友会に所属する、広島県で1歳の時に被爆した綿平敬三さんと木村一茂さんがそれぞれの会場で証言しました。武蔵野会場で証言した木村さんは、父母が残した手記を基に原爆投下の惨禍を伝えています。
木村さんの父親は、所属する軍の部隊から広島市役所に向かう途中で被爆し、自身も頭に大けがをするなか部隊に戻り、救護を求め来る被爆者に対応しました。
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▲武蔵野会場で被爆証言した木村さん(右)
時間がたつほど人が押し寄せ、死体の山が積み重なっていったそうです。生後8日の木村さんの弟や家族を気づかい自宅の様子を見に行く途中も、救護のトラックがけがをしている人を乗せては、亡くなった人を路上に下ろしていく光景を目にしました。自宅に戻り、防空壕に避難し生きていた家族に再会した後、ほっとして動けなくなり翌日までずっと寝ていたことなどを話してくれました。
木村さんは、中学生になってから自分が被爆したことを理解したそうです。周りには被爆者は差別されると隠す人が多くいた中、父母は話をしてくれ感謝していると言います。自身の子どもや孫も広島のツアーに参加するなど関心を持ってくれることを嬉しく思うと話し、参加した子どもたちにも、これからも話を聞き、核兵器がなくなるよう平和運動を進めて欲しいと呼びかけました。
「せんそうほうき」に込める願い
ワークショップの交流では、東友会のメンバーと参加者が共に、小枝や毛糸を使ってミニマスコット「せんそうほうき」を作りました。1990年の湾岸戦争を機に、生協の利用者が平和の願いを込めてつくり始め、全国に広がった市民活動です。争いごとを掃き去って、優しい気持ちを掃き集める願いを込めて手仕事をしながら、世代を超えて平和の大切さを語り合いました。
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▲被爆者の話に耳を傾ける利用者家族や平和担当職員
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約50年にわたる「ピースアクションinヒロシマ・ナガサキ」
広島・長崎両県生協連と日本生協連が広島県と長崎県で実施する、「2026ピースアクションinヒロシマ・ナガサキ」は、被爆体験の継承や核兵器のない世界への思いを共有するため、1978年から毎年開催している企画です。パルシステム東京からは、小学生から大人まで28人の利用者と役職員が参加を予定します。広島県と長崎県でそれぞれ、戦跡や平和を祈る公園を巡り、戦争の傷跡を肌で感じ、平和の大切さを全国生協から集う参加者とともに考えます。
パルシステム東京はこれからも、利用者とともに過去の戦争や世界の戦禍を自分ごととして捉え、平和な社会の実現を目指していきます。
[画像10: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/6976/1286/6976-1286-b50d331ede98a0add4a7d6fddf4d5448-3900x2437.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]生活協同組合パルシステム東京
所在地:東京都新宿区大久保2-2-6 ラクアス東新宿、理事長:西村陽子
出資金:227.7億円、組合員数:53.8万人、総事業高:913.0億円(2026年3月末現在)
HP:https://www.palsystem-tokyo.coop/
パルシステム生活協同組合連合会
所在地:東京都新宿区大久保2-2-6 ラクアス東新宿、理事長:渋澤温之
12会員・統一事業システム利用会員総事業高2,689.6億円/組合員総数177.0万人(2026年3月末現在)
会員生協:パルシステム東京、パルシステム神奈川、パルシステム千葉、パルシステム埼玉、パルシステム茨城 栃木、パルシステム山梨 長野、パルシステム群馬、パルシステム福島、パルシステム静岡、パルシステム新潟ときめき、パルシステム共済連、あいコープみやぎ
HP:https://www.pal-system.co.jp/
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