6K Additive、米輸出入銀行と2740万ドルの融資契約 金属粉末の生産能力拡大へ

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米金属粉末メーカーの6K Additiveは10月2日、米国輸出入銀行(EXIM)と最大2740万ドル(約43.5億円)の融資契約を締結した。融資は、ペンシルベニア州バーゲッツタウンで進めるニッケル、チタン、耐熱金属の粉末生産能力の拡大に充てる。2027年に強化される米国の防衛調達規制を控え、材料の調達経路を確認できる供給網の整備も進める。
■融資契約で工場拡張を後押し
EXIMはこの融資を2025年に承認しており、今回、最終契約が締結された。EXIMの「Make More in America Initiative(MMIA)」による案件で、米戦争省の国防生産法Title IIIプログラムと連携した初の融資だ。EXIMによると、計画にはバーゲッツタウンでの建物4棟の新設と製造設備の導入が含まれる。
融資の上限は2740万ドル(約43.5億円)で、設備や施設などの対象費用に最大2520万ドル(約40億円)、融資に伴う手数料の資金に最大220万ドル(約3.49億円)を充てる。6K Additiveによると、融資期間は6年、資金の引き出し期限は2028年6月30日。購入済みの設備やインフラにかかった費用の償還にも利用できる。
同社は粉末の年間生産能力を約200トンから1000トン規模へ増やす計画を示している。2026年末の目標は拡張設備の初期生産と生産能力の整備であり、年間1000トンの生産実績を同年中に達成するという意味ではない。
■防衛調達で重みを増す原料の産地
米国の防衛調達規則では、2027年1月1日から、タングステン粉末やタングステン重合金などについて、中国を含む指定国での採掘・製造工程に対する調達制限が強化される。規則には対象品目や適用除外の条件も定められており、防衛向け材料では原料から粉末までの調達経路が重要になる。
米地質調査所(USGS)によると、中国は世界のタングステン鉱山生産の約8割を占める。タングステンは融点が約3422℃と金属の中で最も高く、高温にさらされる部品や高密度を生かす部品などに利用される。
6K Additiveは、米国内で発生した金属スクラップや使用済み粉末を原料として活用している。同社は、適格な原料を使った粉末製造により、航空宇宙・防衛分野の顧客が求める品質と材料の追跡可能性に対応すると説明する。
■UniMeltがつなぐ再生材と金属粉末
拡張計画で使う「UniMelt」は、6K Additiveのマイクロ波プラズマ技術だ。金属粒子をプラズマ中で加熱して球状に整え、積層造形などに使う粉末をつくる。切削加工で出た金属や使用済み粉末を再び原料にできる点が、同社の供給計画の柱となっている。
一般的な粉末製造法の一つであるガスアトマイズでは、溶融金属をガスで微細な液滴にして固める。UniMeltは既存の粒子を球状化する方式で、工程の出発点が異なる。粒子の形や大きさがそろうと、金属積層造形装置で粉末を均一に敷きならしやすくなる。
6K Additiveは、UniMeltで目的とする粒径の粉末を高い歩留まりで得られるとしている。粉末を部品製造に使う際には、材料の品質に加え、原料の由来や製造工程を記録することも求められる。
■ニオブ合金C-103にも広がる再生材の活用
同社が扱う耐熱材料には、ニオブを主成分とし、ハフニウムとチタンを加えた合金「C-103」もある。高温での強度や加工性を生かし、ロケット推進系の部品などに用いられてきた。アポロ計画の月着陸船では、降下エンジンのノズル延長部に採用された。
USGSの2026年版統計によると、米国のニオブ原料の純輸入依存度は100%だった。2021~24年の輸入元構成はブラジル67%、カナダ28%、その他5%である。米国内で生じたC-103のスクラップを粉末に戻せば、その再生材に相当する分は新たな原料の投入を抑えられる。
6K Additiveは2026年、米国の軍用施設などで生じるニッケル、チタン、タングステン、C-103のスクラップを粉末に変える契約を発表した。同社によると、4月の契約変更後の総額は390万ドル(約6.19億円)、期間は18カ月となった。対象となる航空機整備拠点では、混合金属スクラップが週に6万ポンド以上発生するという。
■補助金と融資、顧客契約が支える拡張
今回の融資とは別に、米国防総省は2023年、スクラップを高品質な金属材料へ再生する能力の拡大に向け、6K Additiveに2340万ドル(約37.1億円)を交付すると発表した。これとEXIM融資の上限額を合わせると5080万ドル(約80.6億円)となるが、内訳は返済が必要な融資と補助金である。
MMIAは、輸出とのつながりを持つ米国内の製造事業にもEXIMが資金を供給するため、2022年に承認された制度だ。今回の融資金利は初回の資金実行前に決まる商業金利参照レートに基づく。6K Additiveは2026年10月の契約発表時、当時公表されていた5.38%の参照レートを使い、融資手数料を含む年間借入コストを約6.86%と見積もった。
事業面では、6K Additiveが公表した2026年上期の粉末部門売上高は900万ドル(約14.3億円)で、前年同期の510万ドル(約8.09億円)から77%増えた。同社によると、上期の売上の90%超をリピート注文が占め、6月末時点の粉末部門の受注残は1030万ドル(約16.3億円)だった。
■使用済み粉末を戻す顧客契約
6K Additiveと米ADDMAN Engineeringは9月30日、ニッケル718合金粉末の30カ月間の供給契約を発表した。契約額は最低810万ドル(約12.8億円)、最大1080万ドル(約17.1億円)。ADDMANから使用済み粉末などを買い戻し、UniMeltで再処理する仕組みも盛り込まれた。
6K Additiveは2月、Siemens Energyの積層造形設備から出る使用済みニッケル合金粉末を原料として受け取る長期契約も発表している。さらに3月には、社名を公表していない機器メーカーから、ニッケル718粉末110万ドル(約1.75億円)分を受注した。
国内の金属材料供給能力を増やす取り組みはチタンでも進む。米IperionXは、国防当局の支援4710万ドル(約74.7億円)を受け、バージニア州の拠点を拡張している。同社が2026年7月に示した計画では、チタン粉末の年間生産能力を2026年末に約200トン、次の拡張段階で1400トン規模へ引き上げることを目指す。最大9900万ドル(約157億円)の別の契約枠も持つ。
6K Additiveにとって、次の節目はバーゲッツタウンの拡張設備を稼働させ、計画した生産能力に向けて増産を進めることだ。同社は防衛用途に加え、航空宇宙、エネルギー、産業向けにも粉末を供給する方針を示している。
元記事: US Funds 6K Additive With $50 Million to End Chinese Tungsten Dependence Before 2027 Ban
※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。
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