Agility RoboticsのジョンソンCEO、米国の将来戦研究に参加 商用ヒューマノイドの知見を提供

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Agility Roboticsのペギー・ジョンソンCEOが、米国防総省の委託を受けてMITREが主導する将来戦研究「Project Meridian」に参加する。Agilityは二足歩行ロボット「Digit」を物流や製造の現場に導入しており、ジョンソン氏は商用運用で得た知見を研究に提供する。同社では、特別買収目的会社(SPAC)との合併による上場計画も進んでいる。
■将来戦に必要な技術を検討
Agilityは2026年10月5日、ジョンソン氏の参加を発表した。同氏はMITREの個人コンサルタントとして、技術の発展と商用利用の経験を議論に生かす。MITREが公表した参加者名簿には、共同責任者のイーロン・マスク氏、パルマー・ラッキー氏、ニュート・ギングリッチ氏とともに、ジョンソン氏の名前が掲載されている。
Project Meridianは、ピート・ヘグセス国防長官が9月30日に発表した取り組みだ。地下から地球と月の間の領域までを視野に入れ、人工知能(AI)、自律システム、指向性エネルギー、ロボット、バイオテクノロジーなどが将来の軍事活動に及ぼす影響を検討する。政府側では国防総省のエミル・マイケル最高技術責任者が関わる。
研究期間は120日間で、提言をまとめた公開報告書と機密の付属文書が予定されている。報告書の提出期限は2027年1月28日だ。MITREは、企業経営者や技術者、政策の専門家らの意見を取り入れるとしている。
国防総省は別途、無人・自律システムを扱う「自律戦コマンド」の設立構想も発表している。目標時期は2027年10月1日だ。Project Meridianは将来必要となる能力を検討する研究であり、同コマンドは軍の組織構想として進められている。
■Digitの商用運用で得た知見
Digitは、人が使う通路や設備のある物流施設などで、容器を持ち上げて運ぶ作業を担う二足歩行ロボットだ。Agilityによると、2026年6月時点の累計稼働時間は6万5000時間を超え、GXO Logistics、Schaeffler、Toyota Motor Manufacturing Canada、Mercado Libreなどで商用導入されている。Amazonでの運用実績も同社が公表している。
GXOとは2024年6月、複数年の「Robots-as-a-Service(RaaS)」契約を結んだ。RaaSはロボットを一括購入せず、サービスとして利用する契約形態である。米ジョージア州のGXO施設では、Digitが自律搬送ロボットから荷物用の容器を受け取り、コンベヤーへ移す作業などに使われている。
Agilityが2025年11月に公表したところでは、同施設でDigitが移動させた容器は累計10万個を超えた。この数値は施設での稼働実績を示すもので、特定の1台だけの処理量ではない。同社はオレゴン州立大学の研究室から2015年に生まれ、初期の二足歩行ロボット「Cassie」は米国防高等研究計画局(DARPA)の助成を受けて開発された。
2026年9月には次世代機「Digit 5」も発表した。Agilityによると、身長は約1.81メートルで、人の近くでの作業を想定した安全機能を備える。オレゴン州セーラムの工場「RoboFab」は、最大で年間1万台を生産できる設計だ。
■物流への期待と政策提言
ジョンソン氏は参加に際し、身体的負荷が大きく反復的な物流作業をヒューマノイドロボットが担うことで、軍の人員が別の仕事に集中できる機会があると述べた。Agilityは、同氏の参加を同社の商業活動とは別の、個人コンサルタントとしての活動と説明している。
同氏はGeneral Electricの軍用電子機器部門で技術者として働いた後、Qualcommで24年間、Microsoftで約6年間、事業開発などに携わった。拡張現実を手掛けるMagic LeapのCEOを経て、2024年3月にAgilityのCEOに就任した。
ジョンソン氏は2026年7月、ヒューマノイドロボットに関する規制環境を巡る6項目の提言を公表している。安全性に関する基準づくりや人材育成、商用導入を後押しする政策などを挙げた。産業での運用経験を政策議論にも生かそうとする姿勢が表れている。
軍事分野でのヒューマノイド研究も進む。米誌TIMEは2026年3月、米新興企業Foundationが陸海空軍との研究契約を計2400万ドル分持ち、「Phantom」2台を偵察支援の試験に向けてウクライナへ送ったと報じた。Digitの商用物流とは用途が異なるが、国防分野で二足歩行ロボットが検討されている一例だ。
■上場計画と今後の注目点
Agilityは2026年6月24日、Churchill Capital Corp XIとの合併契約を発表した。合併前の株式価値は25億ドル(約3950億円)、見込む調達総額は6億2000万ドル超(約980億円超)で、Foxconnが主導する約2億ドル(約316億円)の追加出資を含む。円換算はいずれも1ドル=158円による概算だ。
Churchill Capital Corp XIは9月4日、米証券取引委員会(SEC)にS-4登録届出書を提出した。合併は株主承認や規制上の手続きなどを条件とし、完了後の会社は「AGLT」の銘柄コードでNasdaqに上場する見通しだ。Agilityは調達資金を既存の受注への対応、商用導入の拡大、Digit 5の生産増強などに充てるとしている。
Goldman Sachsは2024年の予測で、世界のヒューマノイドロボット市場が2035年に380億ドル(約6兆円)に達する可能性を示した。Agilityには商用運用を拡大する計画があり、ジョンソン氏はその経験をProject Meridianの議論へ持ち込む。2027年1月の報告書では、物流を含むロボット技術が将来の能力としてどう位置づけられるかが注目される。
元記事: Agility Robotics CEO Peggy Johnson Joins Project Meridian: $2.5B IPO Bets on Defense Contracts
※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。
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