サムスン傘下6社、米Helixに計10億ドル投資へ AIデータセンターの電力・建設で協業模索

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Samsung傘下の6社は2026年9月29日、米AIインフラ企業Helix Digital Infrastructureに計10億ドル(約1580億円)を投資すると発表した。Samsung Electronicsが5億ドルを担い、残りを5社が拠出する。各社は半導体や冷却、建設、蓄電池などの事業を生かし、Helixとの協業を探る。
■Helixが進めるAIインフラの統合開発
Helixは米投資会社KKRが2026年6月に立ち上げた企業で、Amazon Web Servicesの元CEO、アダム・セルプスキー氏が率いる。大規模データセンターの開発・運営に加え、発電、送配電、光ファイバー網を一体的に整備する構想を掲げる。
KKR、クウェート投資庁、NVIDIA、米電力会社Vistraが設立時からの投資家だ。KKRとHelixによると、設立時には長期資本として100億ドル超の拠出が約束されており、今回のSamsungによる10億ドルが加わる。Helixは北米をはじめ世界各地で事業機会を探る方針だ。
背景には、AI向け計算設備と電力設備を並行して確保する難しさがある。Gartnerは2024年、電力の確保が制約となり、2027年までに既存のAIデータセンターの40%で運用が制限されると予測した。McKinseyも2024年、計画中の施設が予定通り完成しても、米国のデータセンター供給能力は2030年に15ギガワット超不足する可能性があると分析した。
■電力とGPU設備を開発段階から調整
VistraはHelixの優先的な電力供給パートナーを務める。Samsungは、Helixが発電事業者との提携や電力インフラへの投資を通じ、データセンター向け電源の確保を進める方針だと説明している。
NVIDIAは技術面の戦略パートナーとして、同社の「NVIDIA DSX」に沿ったAI設備の開発を支援する。DSXは、GPUを収める施設の設計から電力・冷却の管理、稼働後の運用までを扱う技術群だ。Helixは消費電力当たりのAI処理量や設備全体のコストを重視する。
DSXには、施設を仮想空間で設計・検証するDSX Sim、電力配分を最適化するDSX MaxLPS、電力網からの信号に応じて処理を調整するDSX Flexなどが含まれる。NVIDIAは、MaxLPSによって同じ電力容量で配置できるGPUを最大40%増やせるとしている。この数値はNVIDIAが示す効果であり、Helixの施設で達成された実績ではない。
■Samsung各社の事業と協業構想
投資するのはSamsung Electronics、Samsung C&T、Samsung SDS、Samsung SDI、Samsung Life Insurance、Samsung Fire & Marine Insuranceの6社だ。KKRとHelixは、Samsung各社が持つ技術、建設、蓄電、冷却の能力を活用する機会を探るとしている。
Samsung Electronicsの半導体部門はメモリーなどを手がける。家電などを担う部門は、2025年に買収した空調専門企業FläktGroupを通じ、空冷設備や液冷向けの冷却液分配装置を提供する。Samsungによると、FläktGroupは世界14カ所に生産拠点を持ち、65カ国に供給・サービス網を展開している。
Samsung C&Tはデータセンターや発電施設の設計・調達・建設を手がけ、Samsung SDSはデータセンターの設計・建設・運用に加えてGPUクラウドサービスも展開する。Samsung SDIは無停電電源装置向けの電池とバックアップ用電池を扱う。同社は2026年7月、UPS向け電池がUL Solutionsの屋内大規模火災試験の評価基準を満たしたと発表した。
Samsung Life InsuranceとSamsung Fire & Marine Insuranceも今回の出資に参加する。KKRの発表によると、Helixの投資家には、同社が開発する案件へ製品やサービスを提供する際に優先的な検討を受ける権利などが認められる場合がある。各社による具体的な供給案件は、今後の協業を通じて決まる。
■投資で広がる事業領域
Samsungは2025年、研究開発を含む韓国内の投資に5年間で450兆ウォンを充てる計画を公表した。聯合ニュースによると、Samsung Electronicsは2026年の設備投資と研究開発費を前年の90兆4000億ウォンから約21.7%増の110兆ウォン超とする計画を示している。今回のHelixへの出資は、部品製造に加えてデータセンターを支える事業への関与を広げる動きだ。
Helixにとっては、投資資金に加え、半導体、冷却、建設、蓄電池にまたがるSamsung各社との協業機会が生まれる。電力や設備を開発の早い段階から調整するという構想が、個別のデータセンター案件でどのように形になるかが今後の焦点となる。
元記事: Samsung Crosses from Chip Supplier to AI Infrastructure Architect with $1B Helix Stake
※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。
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