テスラの無人ロボタクシー「サイバーキャブ」が日本上陸―米国では商用運行と当局監査が始まる

2026年9月8日 19:08

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記事提供元:Tech Times

テスラは無人タクシー「Cybercab(サイバーキャブ)」を日本で初めて一般公開する。(写真提供元:Tesla, Inc.)

テスラは無人タクシー「Cybercab(サイバーキャブ)」を日本で初めて一般公開する。(写真提供元:Tesla, Inc.)[写真拡大]

テスラは2026年9月、無人タクシー用に開発した2人乗り車両「Cybercab(サイバーキャブ)」を日本で初めて一般公開する。東京、名古屋、大阪の4会場を巡回する展示イベントで、乗車体験や日本での運行サービスは予定されていない。

米国ではCybercabの商用展開がテキサス州オースティンで始まった。一方、米道路交通安全局(NHTSA)は、ハンドルやペダルなどの一般的な手動操作装置を持たない同車について、テスラが連邦自動車安全基準への適合を自己認証した根拠を調べる監査を開始している。

■東京・大阪・名古屋の4会場で日本初公開

Tesla Japanが9月5日に発表した「Cybercab Japan Tour」は、9月11日から28日にかけて開催される。東京・青山、大阪、名古屋、東京・新宿の順に、国内4会場で実車を展示する。

最初の会場は東京のOMAKASE青山ガーデン byGMOで、会期は9月11日から14日まで。続いて、テスラ グランフロント大阪で9月17日から20日、テスラ名古屋則武で9月22日から23日、テスラ新宿で9月26日から28日まで展示する。

会場では、日本で販売されているModel 3やModel Yも併せて紹介する。開催時間は会場ごとに異なり、イベントや展示内容は予告なく変更または終了する場合がある。

今回発表されたのは実車を見るための展示イベントであり、Cybercabへの乗車や日本でのロボタクシーサービスの提供ではない。日本における販売や商用運行の開始時期も示されていない。

■運転者を前提としない2人乗り車両

Cybercabは、自律型ライドヘイリングサービス「Robotaxi」向けに、運転席を設けないことを前提として開発された2人乗りの電気自動車だ。従来のテスラ車とは異なり、ハンドルやアクセル、ブレーキのペダルを備えていない。

乗降には上方へ開くバタフライドアを採用する。車内には大型のセンタータッチスクリーンが設置され、乗客が目的地までの経路や運行状況を確認するためのインターフェースとして使われる。人が車内から手動で運転するための通常の操作系は用意されていない。

自動走行には、車載カメラの映像を人工知能で処理するテスラの方式を採用する。テスラはLiDARを使わず、カメラを中心とする視覚情報から周囲の車両や歩行者、道路の状態を認識し、進行方向や速度を制御する方針を取っている。

これに対し、他の自動運転車事業者には、カメラに加えてLiDARやレーダーを組み合わせるセンサーフュージョン方式を採用する例もある。カメラ中心の構成と複数種類のセンサーを使う構成のどちらが、さまざまな道路環境で安全性と拡張性を両立できるかは、自動運転業界における主要な技術上の論点となっている。

テスラは自社車両から集めた大規模な走行データを自動運転システムの開発に活用している。ただし、同社が公表する走行距離や衝突率などの安全性指標は、集計条件や比較対象を確認したうえで評価する必要がある。

■米国の認証文書で明らかになった車両仕様

米環境保護庁(EPA)の認証資料によると、Cybercabは前輪駆動を採用し、最高出力163kWのモーターを1基搭載する。電池容量は約47.6kWh、車両重量は3,113ポンド、約1,412kgとされている。

EPAの試験資料には、補正前の複合航続距離として約418マイル、約673kmという数値が記載されている。ただし、これは認証試験から得られた未補正値であり、そのまま一般的な公称航続距離や実走行距離を示すものではない。一般的な補正を適用した推定値は約293マイル、約472kmとなる。

消費電力量は1マイル当たり約165Whとされる。テスラはCybercabを高効率な車両と位置付けているが、量産EVとの比較や実際の運行時の効率は、乗車人数、気象、空調の使用状況、走行速度などによって変化する。

Cybercabは、充電ケーブルを人が接続する必要を減らすため、ワイヤレス誘導充電の利用を想定している。無人運行車両では、運行だけでなく充電や清掃、点検などをどのように自動化するかも、稼働率を左右する重要な要素となる。

テスラは、テキサス州のGigafactory TexasでCybercabの生産を始めている。同社は、大型の車体部品を並行して組み立て、最終段階で結合する「Unboxed」と呼ぶ製造方式を導入し、将来的な生産時間とコストの削減を目指している。

■NHTSAが自己認証の根拠を監査

NHTSAは9月3日、Cybercabを対象とする監査照会「AQ26002」を開始した。対象台数は推定約1,000台と記載されているが、これは監査対象となる車両母集団の推定値であり、オースティンで実際に営業運行している台数を示すものではない。

米国では、自動車メーカーが適用される連邦自動車安全基準を満たしていると自ら認証し、NHTSAがその適合性を監督する自己認証制度が採用されている。テスラはNHTSAに対し、Cybercabが適用対象となるすべての連邦自動車安全基準に適合していると通知した。

Cybercabには、ブレーキペダル、アクセルペダル、ハンドル、一般的なミラーといった恒久的な手動操作装置がない。NHTSAは、テスラが自己認証に使用したプロセスと技術データに加え、一部の安全基準をCybercabには適用されないと判断したかどうか、その判断根拠を調べる。

今回の手続きは監査照会であり、Cybercabに欠陥があると認定したものでも、運行停止やリコールを命じたものでもない。NHTSAは、自動運転車の安全な開発と展開を支持する一方、現行の法律と安全基準が守られていることを確認する必要があるとしている。

従来の連邦自動車安全基準には、人間が運転席に座り、ハンドルやペダルを操作することを前提とした規定が含まれる。NHTSAは、自動運転専用車への対応に向けて複数の基準を見直しているが、新しい規則が成立するまでは現行基準が適用される。

■Zooxは安全基準の一部について適用除外を取得

ハンドルやペダルを持たない専用ロボタクシーを米国で商用展開するための別の経路として、連邦自動車安全基準の一部について一時的な適用除外を申請する方法がある。

Amazon傘下のZooxは2026年7月、8項目の連邦自動車安全基準についてNHTSAから一時的な適用除外を取得した。期間は同年7月31日から2028年7月31日までで、年間最大2,500台の商用展開が認められる。

テスラはZooxと同じ適用除外制度ではなく、Cybercabが現行制度の下で適用される基準を満たしているとして自己認証した。NHTSAの監査は、この判断に用いられた技術的、法的な根拠を確認するものとなる。

監査の開始だけで、Cybercabの適法性や安全性について最終的な結論が示されたわけではない。その結果は、テスラの展開計画だけでなく、運転者用の操作装置を持たない自動運転専用車に既存の安全基準をどのように適用するかという、米国の制度設計にも影響を与える可能性がある。

■日本での運行には別途許可と車両適合が必要

日本では、2022年に成立し、2023年4月に施行された改正道路交通法によって、運転者がいない状態でレベル4に相当する自動運転を行う「特定自動運行」の許可制度が設けられた。

特定自動運行を行う事業者は、運行経路や時間帯、走行条件、安全管理体制などを記載した計画を提出し、運行地域を管轄する都道府県公安委員会の許可を受ける必要がある。車両の自動運行装置についても、道路運送車両法に基づく保安基準への適合が前提となる。

制度上は、遠隔監視装置と特定自動運行主任者を配置する方法のほか、主任者を車内に配置する方法も想定されている。したがって、日本の制度が遠隔監視方式だけに限定されているわけではない。

今回の日本ツアーについて発表されているのは実車展示のみであり、日本の公道で乗客を運ぶ計画や、特定自動運行の許可申請、国内仕様車の導入予定は公表されていない。展示ツアーは、日本市場にCybercabの設計とテスラの自動運転構想を紹介する機会と位置付けられる。

■オースティンでは限定区域で運行

米国では9月3日、オースティンの限定区域で少数のCybercabを使った商用展開が始まった。一般利用者向けのCybercab乗車受付は翌4日、TeslaのRobotaxiアプリを通じて開始された。

Cybercabは既存のModel YとともにRobotaxiの車両群へ組み込まれており、運行区域や配車可能な台数は限定されている。Cybercabの登録台数と、その時点で実際に乗客を運んでいる車両数は同じとは限らない。

テスラはCybercabを、無人運行に適した小型で高効率な車両として大規模に生産する構想を示している。1マイル当たりの運行コストや年間生産台数についても意欲的な目標を掲げているが、これらは将来の量産規模や稼働率、保守費用などを前提とする同社の見通しである。

Cybercabは日本で実車が公開され、米国では限られた地域ながら商用展開の段階に入った。同時に始まったNHTSAの監査は、従来の運転装置を持たない車両を既存の安全基準の下でどのように扱うかを問う重要な手続きとなる。

元記事: Cybercab Arrives in Japan as NHTSA Challenges Tesla’s Legal Right to the Road

※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。

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