SKハイニックス傘下ソリダイムのIPO観測続く―3カ月以内に再開示

2026年9月5日 14:36

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記事提供元:Tech Times

Photo by Brecht Corbeel on Unsplash

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SKハイニックスは9月4日、米国子会社ソリダイム(Solidigm)を巡る資金調達報道について、競争力強化に向けた複数の方策を検討しているものの、具体的に決定した事項はないと改めて説明した。今後、詳細が確定した時点か、今回の開示から3カ月以内のいずれか早い時期に追加開示する。

韓国メディアでは、ソリダイムがIPO(新規株式公開)を前提とする大規模な資金調達を検討していると報じられている。AIデータセンター向けの大容量SSD需要を取り込む同社の事業基盤には関心が集まっているが、上場の実施時期、調達額、企業価値、主幹事などは公式には確定していない。

■9月4日の開示でも具体策は未決定

SKハイニックスは8月6日、ソリダイムが約5兆ウォンのIPO前資金調達を進めているとの報道を受け、同社の競争力を高めるためのさまざまな方策を検討していると開示した。一方で、その時点で決定した事項はないとし、具体的な内容が確定した場合か、1カ月以内に追加開示するとしていた。

期限に当たる9月4日の追加開示でも、具体的な措置や取引は決まっていないとの説明が維持された。次回の開示期限は3カ月後に延長されたため、IPOやIPO前資金調達が実行段階に入ったと判断できる公式情報は現時点で示されていない。

韓国の報道では、5兆~10兆ウォン規模のIPO前資金調達や、将来のナスダック上場が検討対象として伝えられている。モルガン・スタンレーとゴールドマン・サックスが主幹事候補となり、海外の資産運用会社や政府系ファンドに投資意向を確認しているとも報じられた。

ソリダイムが米証券取引委員会への提出書類や外部財務報告を担当する幹部を募集していることも、米国資本市場を視野に入れた動きとして注目されている。

■インテルのNAND・SSD事業を基盤に設立

ソリダイムは、SKハイニックスによるインテルのNANDフラッシュメモリ・SSD事業買収を基盤とする米国企業である。SKハイニックスは2020年10月、約90億ドルで同事業を取得する契約を結び、2021年に第1段階の取引を完了してソリダイムを発足させた。インテルが保有していた残りの関連資産に関する取引も2025年3月に完了した。

ソリダイムはカリフォルニア州ランチョ・コルドバに本社を置き、企業向けSSD、とりわけ大容量QLC NANDを採用した製品を展開している。SKハイニックスは2026年1月、ソリダイムを再編して米国にAIソリューション事業を担う新組織を設け、最大100億ドルを投資する計画も発表している。ソリダイムの製品事業は新たな子会社に移し、ブランドを継続する方針だ。

この再編構想と今回報じられた資金調達の関係については、具体的な仕組みが公表されていない。今後の開示では、調達主体や資本構成、SKハイニックスの持ち分、既存のAI事業再編計画との位置付けが焦点となる。

■高密度QLC SSDでAI向け需要を取り込む

QLCは、NANDフラッシュメモリの1つのセルに4ビットのデータを記録する方式である。1セルに3ビットを記録するTLCに比べて記憶密度を高めやすく、大容量化と容量当たりのコスト低減に適している。

一方、NANDチップ単体では、記録する電圧状態が増えるほど書き込み速度や耐久性の確保が難しくなる。実際のSSDの性能や寿命は、NANDの種類だけでなく、コントローラー、ファームウェア、予備領域、書き込み単位、ワークロードなどにも左右される。このため、QLCの適性は単純な書き換え回数ではなく、製品全体の設計と利用条件を踏まえて判断する必要がある。

AIインフラでは、大規模なデータセット、モデル関連データ、推論時に生成されるデータなどを効率よく保持し、必要に応じて読み出すストレージの重要性が高まっている。高密度QLC SSDは、こうしたデータ集約型で読み取りの比重が高い用途において、設置面積や消費電力、容量当たりのコストを抑える選択肢となる。

ソリダイムの「D5-P5336」は最大122.88TBの容量を備え、U.2、E1.L、E3.Sの各フォームファクターで提供される。同社は、HDDとTLC SSDを組み合わせた従来型のネットワーク接続ストレージと、同製品を使用する全QLC構成を比較したモデルで、ストレージラックを最大9分の1、ストレージ部分の消費電力を約90%削減できるとしている。

これらはソリダイムが設定した特定のシステム構成による試算であり、実際の効果は必要容量、冗長化方式、性能要件、サーバー構成などによって変わる。それでも、限られた電力と設置面積で大容量のデータを扱うというAIデータセンターの課題と、高密度QLC SSDの特性には明確な接点がある。

■NAND市場ではSKハイニックスグループが2位

調査会社TrendForceによると、2026年第1四半期のSKハイニックスグループのNAND売上高は約75億3000万ドルとなり、前四半期比44.6%増加した。世界市場における売上高シェアは17.6%で、Samsung Electronicsの31.6%に次ぐ2位だった。

TrendForceは、AIサーバーの構築に必要な高速データ転送と大容量ストレージへの需要に加え、HDDの供給不足を背景に、高容量QLCエンタープライズSSDへの注文が増えたと分析している。ソリダイムへの受注増も、SKハイニックスグループのNAND売上高を押し上げた。

ソリダイムの事業価値を検討するうえでは、大容量SSD市場の成長性に加え、NAND価格の変動、設備投資負担、中国・大連の製造拠点を巡る輸出管理、グループ内の取引関係や財務構造なども重要になる。

■既存株主からは重複上場への懸念

ソリダイムの上場観測に対しては、SKハイニックスの既存株主から慎重な見方も出ている。韓国企業ガバナンスフォーラムは、子会社の個別上場によって複雑な重複上場構造が生じ、親会社株主が享受できる企業価値に影響する可能性があると指摘している。

一方、外部資本を受け入れれば、ソリダイムが製品開発や製造能力の強化に必要な資金を独自に確保しやすくなる。上場を含む資金調達策の評価は、調達規模だけでなく、資金の使途、売却持ち分、上場後の議決権、親会社との利益配分などによって大きく変わる。

今後3カ月以内に予定される追加開示では、IPO前資金調達や上場の有無だけでなく、1月に公表された米国AI事業再編との関係を含め、ソリダイムをどのような資本構造で成長させるのかが注目される。

元記事: Wall Street Files Solidigm ETF as SK Hynix Faces September 4 IPO Deadline

※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。

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